−けの(keno)−
・毛の荒物(あらもの・あらきもの) 毛が硬(かた)い、大きな獣。 反:■毛の柔物(にこもの)
・毛の末(けのすえ)[=先] 極めて少ないことを、毛の先端に喩えて言う。 類:●毛の先●毫末(ごうまつ)●小指の先 用例:日本書紀−允恭10年正月(図書寮本訓)「毫毛(ケノスヱ)まかりも、弟姫を嫉むに非ず」 出典:日本書紀(にほんしょき) 日本最初の勅撰の歴史書。六国史の一つ。「日本紀(にほんぎ)」とも。全30巻。養老4年(720)。舎人(とねり)親王の主裁の下に完成、朝廷に献じられた記録が見えるが、その編修過程は未詳。第1・2巻は神代、第3巻以下は神武天皇の代から持統天皇の終わりまでを、年紀を立てて編年体に排列。「古事記」と関係が深く、「古事記」の撰録者である太安万侶(おおのやすまろ)も編集に加わる。「古事記」が一つの正説を定めているのに比べ、諸説を併記するなど史料主義の傾向がある。
・毛の柔物(けのにこもの・にこきもの) 毛が軟らかな、小さな獣。 反:■毛の荒物
・毛の足りない者(けのたりないもの) 人間より毛が足りないのは猿であるということから、普通の人間より知能が劣っている者、愚かな人間を指して言う。
・毛の生えたもの(けのはえたもの)[=ようなもの] 主に、「〜に毛の(が)生えたようなもの」の形で使う。 1.ほんの少し立派になったがまだまだであること。また、やや年功を経たもの。 例:「社会人と言っても学生に毛の生えたようなものだ」 ★「赤ん坊に頭髪が少し生えた程度で、まだまだたわいないもの」、ということからか。 2.少しだけ増しなものであるがまだまだであるということの喩え。 例:「巧いといっても素人に毛が生えたようなものだ」「湖とは言っても沼に毛の生えたようなものだ」