−けん(を)(kenwo)−
・剣を売り牛を買う(けんをうりうしをかう) 武芸に携わるのを辞めて農業をする。 類:●帰農する 出典:「漢書−循吏伝」「民有帯持刀剣者、使売剣買牛、売刀買犢」
・暄を負う(けんをおう) 日向に出て日光にあたる。また、その楽しみを言い、特に、貧しい者が、貧しさの内に楽しみを見出すこと。 出典:「列子−楊朱」
・剣を落として舟を刻む(けんをおとしてふねをきざむ) ものごとに拘(こだわ)るあまり、事態の変化に応ずる力がないこと。 故事:「呂氏春秋−察今」 楚の国の人が舟中から水中に剣を落とし、慌てて舷を刻んで印を付け、その印の下ばかりを探したという。 類:●舟に刻して剣を求む
・験を担ぐ(げんをかつぐ) 縁起(えんぎ)を気にする。迷信やジンクスを気に掛ける。 類:●縁起を担ぐ●御幣を担ぐ ★「げん」は、「縁起」の倒語「ぎえん」の短縮から、らしい。江戸時代の流行語だった。
・賢を賢として色に易えよ(けんをけんとしていろにかえよ) 賢者を賢者として慕うときは、人が美人を好むようにせよということ。一説に、賢人を尊重するならば、顔色を変えるほどであれとも。 出典:「論語−学而」「賢賢易色」
・堅を被り鋭を執る(けんをこうむりえいをとる) 甲冑を身に付け、鋭い武器を手にする。 類:●武装する
・言を左右にする(げんをさゆうにする)[=託(たく)する] あれこれ託(かこつけ)けて、はっきりしたことを言わない。 類:●左右に託す
・剣を弾ず(けんをだんず) 不遇を、何かにことよせて嘆く。不遇を託(かこ)つ。 故事:「戦国策−斉策」「史記−孟嘗君伝」 中国の戦国時代、斉の頃、孟嘗君の食客馮煖(ふうかん)が待遇の不平を訴えて爪で剣を弾きながら歌った。
・言を食む(げんをはむ) 前言を翻(ひるがえ)す。約束に背(そむ)く。嘘を吐く。 類:●食言する
・言を俟たない(げんをまたない) 分かり切ったことだから、改めて言及するまでもない。
・乾を旋らし坤を転ず(けんをめぐらしこんをてんず) 天地を回転させるという意味で、国家の大勢を一新すること。
・妍を競う(けんをきそう) 「妍」は、優美なこと。美しさを争うというという意味から、綺麗な花などが咲き乱れている様子、または、美人が何人も集まって美しさを競い合っているように見える様子。 用例:人情・恩愛二葉草−二「紅白妍(ケン)を諍ひ」