−けす(kesu)−
・下衆と鷹とに餌を飼え(げすとたかにえをかえ) 下賤(げせん)の者を使うのには、鷹を餌で手懐(なず)けるように、飲食を与えて従わせるのが良い。 類:●憎き鷹には餌を飼え
・下衆の後知恵(げすのあとぢえ) 愚かな者は、必要な時に名案を出せず、事が終わった後になって役に立たない知恵を出すものだ。 類:●下衆の知恵は後から
・下衆の一寸鈍間の三寸(げすぼいっすんのろまのさんずん)[=一寸戸(いっすんど)] 襖(ふすま)や障子を閉じるのに、一寸ぐらい残すのは下賤(げせん)、三寸ぐらい残すのは鈍間というように、注意の足りなさで人の品格が分かるということ。 類:●鈍間の一寸馬鹿の三寸 ★後に「馬鹿の開けっ放し」と続けても言う。
・下衆の勘繰り(げすのかんぐり) 下賤(げせん)の者は、何かにつけて妙に気を回し、邪推するものだ。
・下衆の逆恨み(げすのさかうらみ) 下賤の者は、他人の好意ある忠告に対して、感謝するどころか、逆にその人に恨みを抱いたりする。
・下衆の謗り食い(げすのそしりぐい) 下賤の者は、物を食べるのに、不味い不味いと言いながら、結局たくさん食べてしまう。
・下衆の知恵は後から(げすのちえはあとから)[=後に付く] 下賤の者の知恵は事が済んでから浮かぶ。なんの役にも立たないこと。 類:●下衆の後知恵●虚仮の後思案
・下衆の楽は寝楽(げすのらくはねらく) 下賤(げせん)の者は寝ることを唯一の楽しみとするという意味で、他の楽しみを味わう余裕がないこと者を指して言う。
・下衆は槌で使え(げすはつちでつかえ) 下賤の者を使う場合には、道理を言っても分からないから、びしびし叩いてやらせないと、ちゃんと働かない。
・下衆も三食上も三食(げすもさんじきじょうろうもさんじき) 下賤の者でも高貴の人でも食事は一日三回取るという意味で、ものごとの種類によっては、上下貴賤の区別はないということ。