−けた(keta)−
・外題学問(げだいがくもん) 書名や芝居の外題だけしか知らないのに、いかにも内容まで知っているような顔する者を罵(ののし)った言葉。ものごとの内容も知らずに通じた振りをすること。 類:●本屋学問 用例:浮・元禄大平記「此外外題学問には宇都宮由的、松下見林」
・桁が違う(けたがちがう) 位が違う。格段の差がある。 類:●格が違う 例:「君と僕では生活の桁が違う」
・桁が外れる(けたがはずれる) まるで勘定に合わない。普通の尺度では計り切れない。段違いである。 例:「桁が外れたお人好し」 類:●桁外れ
・下駄と焼味噌(げたとやきみそ) 味噌を板に付けて焼いたものと下駄とは、形こそ似ているが実際は大変違うということで、一見、形は似ていても内容が全く違うものごとのこと。
・下駄履いて首っ丈(げたはいてくびったけ)[=首丈(くびだけ)] 下駄を履いても首の辺りまで沈むくらいの深みに嵌(は)まっているという意味で、それほど深く異性に惚(ほ)れ込んで夢中になっていること。 類:●足駄履いて首っ丈
・桁外れ(けたはずれ) あるものごとの価値、等級、程度などが他と非常に懸け離れていること。 例:「桁外れの力持ち」
・獣雲に吠ゆる(けだものくもにほゆる) つまらない人間が非常な光栄に浴する。 伝説:「神仙伝」 淮南王(わいなんおう)劉安(りゅうあん)が仙薬を飲んで天に昇ったとき、貴重な仙薬の残りを鶏や犬が舐(な)めると、にわかに昇天し、鶏は雲中に鳴き犬は天上に吠えたという。
・下駄も仏も同じ木のきれ(げたもほとけもおなじきのきれ) 下駄も仏像も、元は同じ木からできたものであるという意味で、尊卑の区別はあるが、その根本は同一であるもののこと。
・下駄を預ける(げたをあずける) 1.無理を承知である事を頼み込むとき、その処理の方法や責任などを全て相手に一任する。2.自分の身の振り方や、あることへの決断を他人に一任すること。 ★江戸時代、芝居小屋や寄席、遊郭などで、履き物を預ける習慣があったことから。
・下駄を履かせる(げたをはかせる) 物の価格を高く偽る。また、ものごとを実際よりもよく、または大きく見せる。 類:●足駄(あしだ)を履く
・下駄を履くまで分からない(げたをはくまでわからない) 勝負事の勝ち負けは、終わってみるまで分からない。 ★碁からできた言葉。「下駄を履く」は、勝負が終わって碁会所から帰るときを意味する。一手で勝敗がひっくり返ることもあるところから。