−けつ(ketu)−
・決河の勢い(けっかのいきおい) 堤防を決壊させて河水が流出するような、猛烈な勢い。
・月下氷人(げっかひょうじん)
・血気に逸る(けっきにはやる)[=進む] 元気に任せて、向こう見ずに勢い込む。
・血気の勇(けっきのゆう) 血気にかられた一時の勇気。向う見ずな勇気。 類:●猪勇(ちょゆう)
・結構毛だらけ(けっこうけだらけ) 大いに結構であるということを言った地口(じぐち)。 ★同音ではじまる語を重ねた語<国語大辞典(小)> ★「結構毛だらけ猫灰だらけ」などとも言う。 ★「結構」は、「家屋の構造」の意味。日本に入って、「立派なこと」の意味が加わった。
・結構は阿呆の唐名(けっこうはあほうのからな・とうみょう) 好い人過ぎるのは、実は愚か者と変わらないということ。お人好しで、とかく人に騙(だま)され易い人を嘲(あざけ)って言う。
・血相を変える(けっそうをかえる) 顔の様子、顔色を変えるという意味で、何事かが起こったときの驚きや怒りなど、顔に表れた急激な反応。
・月旦評(げったんひょう) 人物を論評すること。 類:●人物評●品定め●月旦 故事:「後漢書−許劭伝」 中国、後漢の許劭(きょしょう)と従兄の靖は、郷里の人々の人物評をし、毎月朔日(ついたち)に品題を変えたという。 ★曹操も許劭を訪ねており、その「治世の能臣、乱世の姦雄」という評が元で兵を挙げる決心を固めたという。
・決定版(けっていばん) 1.書物や出版物で、それ以上の修正や増補を必要としない最終的なもの。 例:「漱石全集の決定版」 2.同一種類のものの中で、品質や機能などが最も優れているもの。他の追随を許さない優れた作品。 例:「これぞ下町グルメの決定版」
・尻の穴が小さい(けつのあながちいさい)[=狭い] 1.度量が狭い。小心である。 例:「尻の穴のちっちゃいことばかり言うな」 2.けちである。吝嗇(りんしょく)である。 類:●みみっちい ★尻の穴が小さいと「出すものが小さい」ので、けちで小額しか払わないことを言った洒落(しゃれ)から、という。
・尻の穴が太い(けつのあながふとい)[=広い] 1.度量が広い。大胆である。2.図々しい。
・桀の犬尭に吠ゆ(けつのいぬぎょうにほゆ) 暴君として悪名の高い桀王の飼い犬でも、主(あるじ)から命令されれば、聖人の尭にでも吠え掛かるものである。主人が目を掛ければ、事の善悪に関わらず、その主人に忠義を尽くすものだという喩え。 出典:「文選−鄒陽・於獄上書自明書」「桀之犬可使吠尭、而跖之客可使刺由」
・穴の毛まで抜かれる(けつのけまでぬかれる)[=尻の〜] 何も残らなくなるまで騙し取られる。 類:●骨の髄までしゃぶられる
・尻の毛を抜く(けつのけをぬく)[=毟(むし)る] 誑(たぶら)かす。騙(だま)す。欺(あざむ)く。 類:●尻の毛を抜く
・血路を開く(けつろをひらく) 1.囲みを切り抜けて逃げ道を作る。敵の包囲を破って逃げる。 用例:読・弓張月−前「終に一条(ひとすぢ)の血路をひらき、東南を投(さ)して走りける」 2.困難な事態の解決方法を見付ける。困難を切り抜ける。 用例の出典:椿説弓張月(ちんせつゆみはりづき) 江戸後期の読本。5編29冊。曲亭馬琴。葛飾北斎画。文化4(1807)〜8年刊。源為朝を主人公として、為朝伝説を縦横に利用し、「保元物語」「太平記」などの古典、中国の「水滸後伝」の構想などを生かした伝奇小説で、九州、京都、伊豆七島、琉球を舞台に、雄大な構成で波乱に富む筋を展開させた長編。 人物:滝沢馬琴(たきざわばきん) 江戸末期の戯作者。明和4年(1767)〜嘉永元年(1848)。別号曲亭など。山東京伝に師事し、はじめ黄表紙などを書くが、寛政8年(1796)の「高尾船字文」以後次第に読本に力を注ぐ。勧善懲悪を標榜しつつ、雄大な構想と豊かな伝奇性を備えた長編の読本に力作が多い。著「椿説弓張月」「南総里見八犬伝」など。 参考:南総里見八犬伝(なんそうさとみはっけんでん) 読本。9輯98巻106冊。曲亭馬琴。文化10年(1813)起稿。天保12年完成。文化11〜天保13年(1842)刊。室町時代、安房・上総・下総に勢威を張った豪族里見家の興亡を背景に八犬士が活躍する長編伝奇小説。勧善懲悪を基調とする。全体の構想を「水滸伝」に借り、文体は雅俗折衷の和漢混交文。「里見八犬伝」・「八犬伝」。
・決を採る(けつをとる) 採決する。
・尻を捲る(けつをまくる) ならず者などが着物の裾を捲って座り込むところから、窮地に立った者が、本性を現わして、威嚇的な態度に出る。 類:●尻を捲る●居直る
・尻を割る(けつをわる) 1.悪事の企(たくら)みなどを露見させる。悪事を暴露(ばくろ)する。 類:●尻(しり)を割る 2.隠し誤魔化していたのが見付かる。 類:●尻尾を出す 3.ものごとを中途で止める。 類:●投げ出す 4.商売をしくじって破産する。