−きか(な)(kika5)−
・聞かない(きかない)[=ぬ] 1.人から言われたことに従わない。頑固である。2.承知しない。許さない。 用例:人情・春色梅児誉美−三「今の所へ行くときかないヨ」
・気がない(きがない) 関心がない。興味を感じない。気持ちが乗らない。 類:●気が進まない 用例:咄・鹿の子餅−唐様「四の五のとちいさい目は気(キ)がごんせぬ」 例:「気のない返事」
・気が長い(きがながい) 気持ちがのんびりしていて、せかせかしない。気長である。
・聞かぬが花(きかぬがはな) 実際に真相を聞いてしまうと想像していたほどではないから、期待している間が一番良い。 類:●見ぬが花
・気が抜ける(きがぬける) 1.魂が体から抜ける。ぼんやりする。また、正気を失う。 用例:浄・大内裏大友真鳥−四「ハテとでも無い、きつう吾御寮は気(キ)が抜(ヌ)けた」 2.腰を折られてやる気がなくなる。拍子抜けがする。3.本来の香り、匂い、味などがなくなる。多く、酒類や発砲飲料に使われる。 用例の出典:大内裏大友真鳥(だいだいりおおとものまとり) 浄瑠璃。竹田出雲(初世)。享保10年(1725)上演。時代物浮世草紙としては、江島其磧の作。・・・詳細調査中。 人物:江島其磧(えじまきせき) 江戸中期の浮世草子作者。京都生まれ。1667〜1736.本名、茂知。通称、市郎左衛門。西鶴の作風を真似た役者評判記や浮世草子を京都八文字屋から、その主人、八文字屋自笑の名で発表。著「傾城色三味線」「傾城禁短気」「世間子息気質」など。
・気が上る(きがのぼる) 1.逆上(のぼ)せる。上気する。 用例:落窪−一「むげにはづかしとおもひたりつるに、きののぼりたらん」 2.精神の安定を失う。正気でなくなる。 類:●気が狂う●気が違う 用例:浄・三荘太夫五人嬢−誓文「手酷う是までぼっ詰められ、気(キ)が上(ノボ)ってのたわ言な」 用例の出典:三荘太夫五人嬢(さんしょうだいゆうごにんむすめ) 浄瑠璃。竹田出雲。享保12年(1727)。厨子王を主人公とする家再興のモチーフ(厨子王伝説)。
・気が乗らない(きがのらない) 気が進まないこと。 類:●気乗り薄●乗り気薄