−きか(わ)(kikawa)−
・気が悪い(きがわるい) 1.気分が悪い。快くない。 用例:浄・天神記−三「なふお医者様、我が持病にてひとりねすればきがわるし」 2.気味が悪い。 用例:浄・道中亀山噺−二「イエイエ此化物はずんど正道な、爾な気の悪い化物じゃ無い」 3.気が重い。憂鬱(ゆううつ)である。 用例:洒・卉閣秘言「それでわしゃ末の事おもふと、とんときがわるいわいな」 4.意地が悪い。 用例:浄・夏祭浪花鑑−一「ああこれ佐賀右気の悪い。貴様が取り成言うてくれねば仕廻いが付かぬ」 5.欲望をかきたてられるような情景や物を見たり聞いたりして、その気分になりそうである。 用例:雑俳・柳籠裏−正月一五日「気のわるひものあふのけにねた女」 用例:伎・櫓太鼓鳴音吉原−二幕「『褒美の金は望み次第』『そりゃあ気の悪い話だな』」 用例の出典@:天神記(てんじんき) 浄瑠璃。近松門左衛門。正徳4年(1714)。左大臣藤原時平の為に筑紫太宰府に流されてしまった菅原道真が、再び都に上り時平を征伐する. 扇原, 多田町にある史跡、「扇原」にまつわる演目。「菅原伝授手習鑑」に影響を与えた。 用例の出典A:道中亀山噺(どうちゅうかめやまばなし) 浄瑠璃。近松半二。安永7年(1778)。・・・調査中。 用例の出典B:卉閣秘言(しょうかくひげん) 洒落本。・・・調査中。 用例の出典C:柳籠裏(やなぎかごうら?) 雑俳。3編。明和5年(1768)。柄井川柳。川柳の選句集。 用例の出典D:櫓太鼓鳴音吉原(やぐらだいこおともよしわら) 歌舞伎。河竹黙阿弥。慶応2年(1866)、市村座。通称「明石志賀之助と傾城簿雲」・・・詳細調査中。