−きき(kiki)−−−
・危機一髪(ききいっぱつ) 髪の毛一本ほどの違いで、極めて危険な状態になりそうなこと。ひとつ間違えば大変な危険に陥りそうなこと。 例:「危機一髪のところで命拾いした」 出典:韓愈「与孟尚書書」
・奇奇怪怪(ききかいかい) 「奇怪」の意味を強めた言葉。非常に奇怪なこと。 類:●奇絶怪絶 用例:中華若木詩抄−下「奇々怪々として」
・聞き齧る(ききかじる) ものごとの一部分や、上辺(うわべ)だけを聞き知ること。表面的な知識しか得ていないこと。 用例:洒・当世気どり草「女童も自然と古人の姓名をききかぢる」 用例の出典:当世気とり草(とうせいきどりぐさ) 洒落本。金金先生著。安永2年(1773)。「金金先生」は偽名か?・・・詳細調査中。
・雉子の頓使い(きぎしのひたづかい) 行ったきり帰って来ない使者のこと。 類:●雉の頓使い 故事:天つ神の命を受けて、日本の国土を平定するために天から地上に降った天若日子(あめのわかひこ)が、8年経っても復命しなかったので、雉子を遣(つか)わして事情を問わせたところ、天若日子はこれを射殺してしまった。 ★一説に、使者をやる時に副使を付けないで単独でやるのを忌んで言った言葉<国語大辞典(小)>
・雉子は寒中山鳥は木の芽頃(きぎすはかんちゅうやまどりはきのめごろ) 雉子(きじ)が美味しいのは寒いうちであり、山鳥が美味しいのは春に木の芽の出た頃であるということ。 ★岡山県のことわざ。
・聞き捨てならない(ききずてならない) 聞き流すことができないという意味で、聞いた内容が自分に関わることなため、それを無視する訳にはいかないということ。
・聞き流す(ききながす) 聞いても心に留めないでおく。聞きっ放しにする。 類:●聞き捨て 例:「人事(ひとごと)だと思って聞き流す」
・忌諱に触れる(ききにふれる) 目上の人が非常に忌み嫌っていることを言ったり行なったりして、その人の機嫌を損なうこと。
・騏驥にも躓きあり(ききにもつまずきあり) よく走る馬でも時には躓(つまず)くことがあるという意味で、どんな優れた者でも偶(たま)には失敗することがあるということ。
・騏驥の跼躅は駑馬の安歩に如かず(ききのきょくちょくはどばのあんぽにしかず) 優れて足の速い馬でもぐずぐずしていれば、つまらない馬が静かに歩き続けるのに及ばない。どんなに優れた人でも、怠けていれば、凡庸な人の努力に劣るというたとえ。 類:●駑馬十駕(どばじゅうが) 出典:「史記−淮陰候列伝」
・聞き耳潰す(ききみみをつぶす) わざと聞かない振りをすること。
・聞き耳遠し(ききみみとおし) 聞いても実感が湧かない状態。
・聞き耳を立てる(ききみみをたてる)[=欹(そばだ)てる] 注意を集中して聞こうとすること。 類:●耳を澄ます
・危急存亡(ききゅうそんぼう・ぞんぼう) 危難が迫って、存続するか、それとも滅びてしまうかという瀬戸際。生きるか死ぬかの境。 例:「危急存亡の秋(とき)」 出典:諸葛亮「前出師表(ぜんすいしのひょう)」「今天下三分、益州疲弊、此誠危急存亡之秋也」 出典:出師表(すいしのひょう) 中国三国。蜀漢。諸葛亮。建興5年(227)。前後2編。先主劉備の死後、出陣するにあたって後主・劉禅(りゅうぜん)に上奏した出師文。憂国の至情に溢れたもの。これを読んで涙しない者はいないとまで言われた。後の岳飛がこれを書き写したことでも有名。後編の「後出師表」は後世の贋作という説もある。