−きん(kin)−
・錦衣玉食(きんいぎょくしょく) 立派な衣服を纏(まと)い、美食に耽(ふけ)ること。贅沢(ぜいたく)をすること。
・金甌無欠(きんおうむけつ) 少しの疵(きず)もない黄金製の瓶のように、完全堅固で欠点のないこと。特に、国家が強固で、外国の侵略を一度も受けていないことを喩えて言う。 出典:「南史−朱嚼伝」「我国家、猶若金甌無一傷倨」
・槿花一日の栄(きんかいちじつのえい)[=一晨(いっしん)の栄え・一朝の夢] 「槿花」は、木槿(むくげ)の花。また、朝顔の花の異称。栄華は儚いものだということ。 類:●束の間の盛り
・金科玉条(きんかぎょくじょう) 「科条」は法律のこと。極めて大切な法律、重要な規則のこと。現代では、自分の主張や立場を守るための、絶対の拠りどころという意味でも使う。
・金看板(きんかんばん) 1.金文字を彫りこんだ看板。2.世間に誇らしげに示す主義や思想。 例:「清廉を金看板として」 3.確実で、信用できること。
・欣喜雀躍(きんきじゃくやく) 小躍りするほど喜ぶこと。大喜びすること。 類:●歓天喜地●小躍り
・金牛を駆りて路を開く(きんぎゅうをかりてみちをひらく) 相手の欲心を利用して成功すること。 故事:「蜀王本紀」 昔、中国の秦の恵王が蜀を討とうとした時、蜀に入る道がなかったので、石で牛を作り、黄金の糞をすると偽ったところ、蜀侯がこの牛を得ようとして道をつけさせた。恵王はこの道を進んで蜀を討った。 出典:蜀王本紀(しょくおうほんぎ) 古蜀の歴史書。前漢時代。前1世紀末。揚雄(ようゆう)撰。紀元前200年の夏王朝の時代から殷末周初の時代に至る古代蜀王国(現在の四川省)の歴史を書いたもの。蚕叢(さんそう)、柏灌(はっかん)、魚鳧(ぎょふ)、杜宇(とう)、鼈霊(べつれい)が、秦による征服まで蜀国の王として交替していたとされる。近年まで、蜀王朝の存在自体が伝説視されていたが、1986年の「三星堆(さんせいたい)」発掘により明らかになった。
・金玉の声(きんぎょくのこえ) 「金玉」は、貴重なものの総称で、何にも増して麗しい声、あるいは、素晴らしい言辞などのこと。
・金魚の糞(きんぎょのふん)[=うんこ] 金魚の糞は長く連なって離れないところから、長々と連なっていたり、他人に付き従って離れない様子。
・金欠病(きんけつびょう) 金銭がなくて困ることを病気に喩えた言葉。
・金言耳に逆らう(きんげんみみにさからう) 金言は、ややもすれば人の感情を損なうので、聞き入れられ難い。
・金庫番(きんこばん) 1.現金や財宝を入れておく倉を警備する人。2.家や企業などの、会計の責任者。また、国庫や財政を切り盛りする人。 類:●番頭役
・琴瑟相和す(きんしつあいわす)[=調(ととの)う] 琴と瑟とを合奏してその音が良く合うということから、夫婦の仲が睦まじいことの喩え。 類:●琴瑟を鼓するが如し●和すること琴瑟の如し●琴瑟和らぐ●琴瑟相楽しむ 出典:「詩経」
・琴瑟の調べ(きんしつのしらべ)[=交わり] 夫婦の仲が良いこと。また、友人間で仲が良いこと。
・銀舎利(ぎんしゃり) 白飯を指す俗語。 ★「舎利」は釈迦の遺骨のことで、形が似ていることから言われた。
・金城鉄壁(きんじょうてっぺき) 防備が非常に堅固な城と城壁のこと。また、転じて、非常に堅固な物のこと。 類:●金城湯池(とうち)●金山鉄壁●銀山鉄壁
・金城湯池(きんじょうとうち) 金で作った城と熱湯を湛(たた)えた池という意味で、極めて守りが堅い城と堀。転じて、他から侵害されにくい所。 類:●金湯(きんとう) 出典:「漢書−カイ通伝」
・錦上に花を添える(きんじょうにはなをそえる)[=敷く] 美しい物の上に、更に美しい物を加える。良い上に更に良いものを添える。
・近所合壁(きんじょがっぺき) 壁一重を隔てた隣。 類:●近所近辺●隣近所
・錦心繍口(きんしんしゅうこう) 美しい思想や言葉を持ち、詩文の才に優れていること。また、その人。 類:●錦心繍腸(しゅうちょう)●錦繍の腸(はらわた)
・銀世界(ぎんせかい) 雪が降り積もって、辺り一面が真白になっている景色のこと。主に、その美しさを誉めて言う。 例:「カーテンを開けたら銀世界になっていた」
・金石の交わり(きんせきのまじわり) 友情が金属や石のように堅いこと。破れることのない交際。 出典:「漢書−韓信伝」「自以為与漢王、為金石交」
・琴線に触れる(きんせんにふれる) 琴の糸に少しでも触れれば音が鳴るという意味から、感じ易くちょっとした刺激にも反応する様子。また、心の底から感動して共鳴するという状態。
・金諾(きんだく) 絶対に信頼のおける約束。確かな、固い承諾。 出典:「史記−季布伝」「得黄金百斤、不如得季布一諾」
・禁断の木の実(きんだんのこのみ・きのみ) 1.「旧約聖書」の創世記に書かれている、エデンの園にあった知恵の木の実のこと。 ★寓話。アダムとイブは、神から食べることを禁じられていたが、蛇に誘惑されて禁を破り、実を食べ、楽園から追放されたという。 2.比喩的に、固く禁じられてはいるが、非常に魅力に富んだ誘惑的な快楽や行為。
・金的を射当てる(きんてきをいあてる)[=射止める・射落とす] みんなの憧れの的であるものを、自分が手に入れる。
・金殿玉楼(きんでんぎょくろう) 金や玉で飾った殿舎という意味で、極めて美しい御殿のこと。
・金時の火事見舞い(きんときのかじみまい)
・金時の醤油煮き(きんときのしょうゆだき) 元々顔の赤い金時を醤油で煮たら、益々赤くなるということ。 類:●金時の火事見舞
・銀のスプーンを持って生まれてくる(ぎんのすぷーんをもってうまれてくる)[=銜(くわ)えて〜] 金持ちの家庭に生まれること。また、そういう家でそだつこと。 ★英語の慣用句「Born with a silver spoon in one's mouth.」から。
・金の卵(きんのたまご) 1.手に入れるのが難しい、将来性のある若い人材。将来を嘱望される人材。2.企業にとって、将来が期待される商品や企画。
・金箔が剥げる(きんぱくがはげる) 上辺を飾っていたものが取れて実質が現われる。 類:●箔が剥げる●鍍金(めっき)が剥げる●化けの皮が剥がれる
・金蘭の契り(きんらんのちぎり)[=交わり] 親友が心を同じくするその堅さは、固い金をも断ち切るほどであり、友情のまことの美しさは香りの高い蘭のようである。親友の固い友情の喩え。 類:●金石の交わり●金蘭の交わり●断金の契り●断金の交わり●刎頚(ふんけい)の交わり●管鮑の交わり●水魚の交わり 出典:「易経−繋辞・上」「二人同心、其利断金、同心之言、其臭如蘭」
・襟を開く(きんをひらく) 1.衣服の襟を開く。 2.隠し立てをしないで、心の中に思っていることをすっかり話す。 類:●胸襟を開く