−きり(kiri)−
・切り上げる(きりあげる) 1.一応そこで終わりにする。一段落をつける。 例:「話を切り上げる」 2.計算で、求めようとする位未満の端数を取り去り、求めようとする位に一を加える。 反:■切り捨てる
・義理堅い(ぎりがたい) 他人との交際において、義理を堅く守り、疎(おろそ)かにしない。律儀(りちぎ)である。 類:●几帳面●忠実 用例:中華若木詩抄−下「婦人の貞節にして晩霜の如く義理かたく行跡の清きと云ことか」
・切りがない(きりがない) 際限がない。限りがない。 例:「彼の欠点を並べ立てたら切りがない」
・限限決着(ぎりぎりけっちゃく) 限度一杯で、余地のない状況になること。
・きりきり舞い(きりきりまい) 1.片足を軸にして、からだを勢いよく回すこと。また、そのように、休む間もないほど、忙(せわ)しく立ち働くこと。 例:「忙しくてきりきり舞いする」 2.相手の早い動きなどについて行けず、うろたえて動く様子。 類:●天手古舞い 例:「速球にきりきり舞いする」 ★同じ場所でくるくる回る様子を錐(きり)に喩えたことから。 ★多く、関東では「てんてこ舞い」と言い、関西では「きりきり舞い」と言う<学研国語大辞典>
・切り捨てる(きりすてる)・斬り捨てる 1.切ってその部分を捨てる。切ってそのままにしておく。また、人を斬ってそのままに打ち捨てておく。 用例:南海寄帰内法伝平安後期点−二「長きこと有らば割却(キリステ)、少くは則ち更に添へよ」 用例:浄・国性爺合戦−一「敵の兵したひよればふみとまり、切捨(キリステ)打捨」 2.除き捨てる。捨てて顧(かえり)みない。 例:「弱者を切り捨てる」「過去のことは切り捨てる」 3.計算で、求めようとする位に足りない端数を捨てる。 反:■切り上げる 用例の出典:国性爺合戦(こくせんやかっせん) 浄瑠璃。時代物。5段。近松門左衛門。正徳5年(1715)大坂竹本座初演。。中国、明代末の鄭成功の史実に基づき、日本に亡命の鄭芝竜の子和藤内(国姓爺)が義姉錦祥女の夫甘輝と協力して明朝の再興を図る筋。17か月に及ぶ長期公演記録を作った。歌舞伎にも取り入れられ、浮世草子、読本、草双紙などに大きな影響を与えた。
・切り出す(きりだす) 1.木材や石などを切って運び出す。 例:「山から木材を切り出す」 2.話そうとしていたことを話し始める。言い出す。 例:「折を見て、見合いの話を切り出す」 3.小切手や手形などを振り出す。
・桐壺源氏(きりつぼげんじ) 源氏物語を読む決心をしながら最初の桐壺の帖で止めてしまうということから、勉学などが長続きしないこと。 類:●隠公左伝
・切り詰める(きりつめる) 1.一部分を切り取って、短くする。 例:「ズボンの裾(すそ)を切り詰める」 2.経費などをできるだけ倹約する。ぎりぎりまで押し詰める。 例:「食費を切り詰める」
・切り抜ける(きりぬける) 1.敵の囲みを切り破って脱出する。敵の中に斬り込んで、逃れ出る。 用例:人情・英対暖語−五「盗人に出合たる始終、切ぬけて逃来りしことまでを」 2.苦しい立場や困難な状態から、やっとのことで逃れる。 例:「どうにかピンチを切り抜けた」
・切り札(きりふだ) トランプで、特別強い力を持つ札のこと。転じて、他の全てを抑えることができる手段のこと。取って置きの手。 例:「代打の切札」
・切り身に塩(きりみにしお) 1.傷口に塩を擦(こす)り付けるように、痛い上に更に痛さを加えること。 類:●切り目に塩●傷口に塩を塗る 2.転じて、悪いことの上に更に悪いことが起こることの喩え。打撃の上に更に打撃を受ける、または、与えることの喩え。
・切り盛り(きりもり) 1.料理で、食材を切ることと盛ること。また、食材を切って適当に盛り分けること。2.ものごとを巧く処置すること。ほどよくものごとを捌(さば)くこと。 類:●捌き●遣り繰り 例:「家計の切り盛りを預かる」
・器量好み(きりょうごのみ) 顔立ちの美しい女ばかりを選び好むこと。また、その人。 類:●面食い
・器量負け(きりょうまけ) 1.才能があるため、自負したり過信したりして、却って失敗すること。2.顔立ちが美し過ぎて、却って中々結婚できないこと。
・器量好し(きりょうよし) 顔立ちが美しい女性のこと。また、その人。 類:●美貌●別嬪●美人
・麒麟の一角(きりんのいっかく) 「麒麟」は現実には存在しないところから、この世にあり得ないことの喩え。 類:●火中の蓮花(れんか)
・麒麟の躓き(きりんのつまずき) 非常に優れた麒麟でも躓くことがある。 類:●弘法も筆の誤り
・麒麟も老いては駑馬に劣る(きりんもおいてはどばにおとる)