−きし(kisi)−
・起死回生(きしかいせい) 死にかかった人を回復させること。滅亡や崩壊の危機を救って再び良い状態に立ち直らせること。
・来し方行く先(きしかたゆくさき・こしかた〜)[=行末(ゆくすえ)] 1.過去と将来。 用例:源氏−賢木「きしかたゆくさきおぼしつづけられて」 2.過ぎて来た方向、場所と、これから行く方向、場所。 類:●前後●後先 用例:竹取「きしかた行すゑもしらずうみにまぎれんとしき」 ★古くは「こしかた」が用いられる<国語大辞典(小)>
・来し方行く先暮れる(きしかたゆくさきくれる) 前後の事も分からないほど正体がなくなること。 類:●前後不覚
・樹静かならんと欲すれども風止まず(きしずかならんとほっすれどもかぜやまず) 木が静かになろうと思っても風が止まないのでどうにもならないという意味で、思うようにならないことの喩え。やっと親孝行をしようと思う時には親は死んでいるということ。 類:●子養わんと欲すれど親待たず●風樹の嘆(たん) 出典:「韓詩外伝−巻九」「樹欲静而風不止、子欲養而親不待也」
・旗幟鮮明(きしせんめい) 旗色が鮮やかなこと。また、立場や主張が明確であること。
・箕子の憂い(きしのうれい) 象牙の箸のような些細なことから、天下の大事を予見して憂えること。賢い人は、小さな動向を見て大局を見ることができるものだということ。 故事:「韓非子−喩老」「紂為象箸而箕子怖、以為象箸必不加於土[金+刑]、必将犀玉之杯」 紂王(ちゅうおう)が象牙の箸を使い始めたときに「象牙の箸を使い出せば、土器をやめて犀の角や玉で作るようになる。粗末な豆ではなく珍獣の肉を食べるようになる。粗末な仕事着や茅葺の家には住めなくなり、煌(きら)びやかな衣を着て立派な御殿に住みたがる」と憂いた。 参考:酒池肉林
・雉の草隠れ(きじのくさがくれ)[=隠れ] 雉は草の中などに隠れるとき、首だけ隠して、尾を出したままでいるところから、一部分だけ隠して、他の部分が現われているのを知らずにいること。 類:●頭隠して尻隠さず 出典:孔平仲の詩「蘇子由寄題小庵詩用元韻和詩」「畏人自比蔵頭雉」
・雉の頓使い(きじのひたづかい) 行ったきり帰って来ない使者。 類:●雉子(きぎし)の頓使い
・箕帚の妾(きしゅうのしょう・きそうの〜) 1.室内の掃除をすることを役目とした腰元のこと。2.転じて、人の妻となることを謙遜して言った言葉。 ★「箕帚」は、塵(ちり)取りと箒(ほうき)のこと。
・箕帚を執る(きしゅうをとる・きそうを〜)[=奉(ほう)ず] 妻妾となって仕えること。 類:●箕帚に辞す ★「箕帚」は、ちりとりとほうきのこと。
・雉も鳴かずば撃たれまい(きじもなかずばうたれまい)
・起承転結(きしょうてんけつ) ものごとの構想や順序のこと。ものごとの作法のこと。 類:●起承転合 ★漢詩の構成法の一つ。絶句では、第一句が起、第二句が承、第三句が転、第四句が結。また、律詩では、第一・第二両句が起、第三・第四両句が承、第五・第六両句が転、第七・第八両句が結。起は詩意を起こし、承は起句を承(う)けつぎ、転は一転して別境を開き、結は一編全体の意を結合する。連歌、俳諧にもこの構成法が適用され、さらに散文の構成にもこれが応用される<国語大辞典(小)>
・机上の空論(きじょうのくうろん)[=論(ろん)・見(けん)] 机の上の考えだけで、実際には合わない意見。実際には役に立たない考えのこと。 類:●空理空論●机上燈火の見●机上の論●机上の計画
・疑心暗鬼(ぎしんあんき)
・鬼神に横道なし(きじんにおうどうなし) 鬼神は「神々」の意味。神様は邪道の行ないをしないものである。 類:●鬼神に邪(よこしま)なし●神明に横道なし 用例:謡曲・大江山「何鬼神に横道なしとや」 用例の出典:大江山(おおえやま) 謡曲。五番目物。各流。世阿弥作とも宮増(みまし)作ともいう。源頼光の大江山の鬼退治を脚色したもの。古名は「酒呑童子(しゅてんどうじ)」。
・帰心矢の如し(きしんやのごとし) 家や故郷に帰りたいと願う気持ちが、非常に強い。一刻も早く帰りたい。どこにも寄らず、真っ直ぐ帰りたい。