−きよ(あ1)(kiyo1-1)−
・挙案斉眉(きょあんせいび) 《四熟》 「案」は膳(ぜん)のこと。膳を眉(まゆ)の高さまで挙げて、両手で恭(うやうや)しく捧(ささ)げ持つ。妻が夫に礼儀を尽くし尊ぶことの喩え。また、夫婦が互いに礼儀を尽くし尊敬して、仲が好い喩え。 類:●相敬如賓 ★「案を挙ぐるに眉に斉(ひと)しくす」と読み下す。 故事:「後漢書−逸民列伝・梁鴻」「妻為具食、不敢於鴻前仰視、挙案斉眉」 後漢の梁鴻(りょうこう)の妻は夫に食事を勧めるとき、膳を眉の高さまで挙げて夫への尊敬を表わし、梁鴻もそれに対して常に礼を以て接した。
・御意に入る(ぎょいにいる) 貴人や主君などの気に入ること。 類:●思(おぼ)し召しに適う●寵愛を受ける●御意に召す。
・御意を得る(ぎょいをえる) 1.貴人や主君などの考えや意見を聞く。忠告を受けたり、尋ねたりする。 類:●お考えを承(うけたまわ)る 2.相手を敬って、その人に「会う」「面会する」の意味で用いる。貴人に面会する。 類:●お目に掛かる 3.「御意を得ます」などの形で、貴人に面会する時の挨拶の言葉として用いる。
・今日あって明日ない身(きょうあってあすないみ) 1.人の命は儚いものだということ。2.死期が迫っていること。
・疆多事(きょうえきたじ) 自国と他国との境に紛争が起こり慌ただしいこと。
・胸臆を行なう(きょうおくをおこなう) 自分思い通りに振る舞うこと。
・今日か明日か(きょうかあすか) 1.その日の来るのを待ち望む様子。 2.死期などが差し迫っていること。 例:「今日か明日かの命」
・京男に伊勢女(きょうおとこにいせおんな) 男は京の男が良く、女は伊勢の女が良いということ。
・京女に東男(きょうおんなにあずまおとこ) 女はしとやかな京の女、男はさっぱりとして思い切りが良い江戸の男が良いという。 類:●東男に京女
・教学相長ず(きょうがくあいちょうず) 教えることと学ぶことが上手く噛み合ってこそ、知徳は助長発展するものである。人を教えることは自分の修行にもなるということ。 類:●教うるは学ぶの半ば 出典:「礼記−学記」「故曰、教学相長也、兌命曰、教学半、其此之謂乎」
・興が醒める(きょうがさめる) 興味が薄らぐ。面白味がなくなる。気拙い雰囲気になる。 類:●興醒める●白(しら)ける 用例:宇津保−内侍督「とりたちなば、けうさめなむ」
・鏡花水月(きょうかすいげつ) 1.目には見えるけれど手に取ることのできない物のこと。2.形跡によっては把握されず、ただ感じ取ったり悟ったりすることによって把握されるものごと。主に、詩歌や小説などを指して使う。
・興が乗る(きょうがのる) 面白さの勢いに任せて何かをする。 類:●興に乗る
・叫喚地獄(きょうかんじごく) 仏教用語。八熱地獄の第四番目で、罪人が猛火や熱湯などの苦しみに会い、泣き喚く(わめ)ところ。
・恐々謹言(きょうきょうきんげん) 手紙の本文の結びに書いて敬意を表わす言葉。恐れながら謹んで申し上げるという意味。
・胸襟を開く(きょうきんをひらく) 隠し立てをしないで、心の中に思っていることをすっかり話す。心の中を打ち明ける。 類:●胸臆(きょうおく)を開く●襟(きん)を開く●胸を開く●心を開く
・狂言師(きょうげんし) 1.能楽で、狂言を演ずる役者。2.謀略などで人を騙す人。 類:●からくりや
・脅肩諂笑(きょうけんてんしょう) 肩を窄(すぼ)めて、諂(へつら)い笑いをすること。卑屈な態度。 出典:「孟子−滕文公・下」「脅肩諂笑、病于夏畦」
・郷原は徳の賊(きょうげんはとくのぞく) 贋(にせ)の道徳家は、何の値打ちもないばかりでなく、むしろ徳を損なうものである。 出典:「論語−陽貨」「郷原、徳之賊也」
・狂言を書く(きょうげんをかく)[=懸(か)ける・やる] 企(たくら)みごとをする。嘘を吐いて騙(だま)す。
・狂言を下に置く(きょうげんをしたにおく) 澄まして知らない振りをする。
・狂言を残す(きょうげんをのこす) 相手の行為を疑わしいと思う。 用例:伎・五大力恋緘−二幕「少し狂言を残して往(い)なれました」 用例の出典:五大力恋緘(ごだいりきこいのふうじめ) 歌舞伎脚本。世話物。3幕。並木五瓶作。寛政6年(1794)京都西の芝居初演。「島廻戯聞書」の第四幕以下を独立させ改訂したもの。薩摩藩の早田八右衛門が大坂曾根崎桜風呂の菊野ら五人を切り殺した事件に、五大力信仰を加えて脚色した作品。
・強行軍(きょうこうぐん) 無理をして行軍すること。転じて、無理な予定に追われて旅行をすること。また、無理な日程で仕事を処理すること。 例:「日帰りの強行軍」
・軽骨者(きょうこつもの) 軽弾みで落ち着きがない者。
・強士(きょうし) 四〇歳の称。四○歳になって初めて官に仕えるものだということ。 類:●不惑 出典:「礼記−曲礼」「四十曰強而仕」
・行住坐臥(ぎょうじゅうざが・ぎょうじゅざが) 1.仏教用語。歩く・止まる・座る・臥す、この四つは全ての動作の基本であるところから、仏教では、特に規律を定め、これを四威儀という。日常の立ち居振る舞いのこと。2.平生。普段。 用例:花鏡−万能綰一心事「日々夜々、ぎゃうぢうざぐわに、この心を忘れずして」
・恐縮千万(きょうしゅくせんばん) 有り難がったり恐れ入ったりして身を縮めるという意味で、感謝や謝罪の気持ちがこの上ないということを伝える言葉。 類:●恐縮至極
・強将の下に弱卒なし(きょうしょうのもとにじゃくそつなし)[=弱兵なし] 強い大将のもとには、自然にその感化を受けて強くなり、弱い兵はいない。 類:●勇将の下に弱卒なし
・狂人走れば不狂人も走る(きょうじんはしればふきょうじんもはしる) 人は兎角(とかく)他人の尻に付いて行動しがちである。 類:●一匹の馬が狂えば千匹の馬が狂う
・共存共栄(きょうそんきょうえい・きょうぞんきょうえい) 自と他が、共に生存し、共に繁栄すること。