−きよ(あ2)(kiyo1-2)−
・兄弟牆に鬩ぐ(きょうだいかきにせめぐ・うちに〜) 兄弟が内輪喧嘩をする。仲間同士で喧嘩をする。 類:●兄弟(けいてい)牆に鬩ぐ 出典:「詩経−小雅・常棣」「兄弟鬩于牆、外禦其務」
・兄弟は他人の始まり(きょうだいはたにんのはじまり)[=始め] 血を分けた兄弟も、妻や子を持つとそれらに愛情が移って、兄弟同士の情がだんだん薄らいでいく。 反:■袖振り合うも多生の縁
・兄弟は両の手(きょうだいはりょうのて) 兄弟は左右の手のように、お互いに助け合わなければいけないということの喩え。 類:●兄弟(けいてい)は左右の手なり 出典:「魏書−王脩伝」
・胸中成竹あり(きょうちゅうせいちくあり) 竹の絵を描く時には、先ず生長した竹を胸中に思い浮かべ、それによって枝葉根幹を見積もって筆を執るものだという意味から、事を始めるに当たり、予(あらかじ)め成功の目算があることの喩え。
・胸中の鱗甲(きょうちゅうのりんこう) 心の中に鎧や兜を持っているという意味から、人と争う心や、争い易い性向を持っているということ。 類:●腹中の鱗甲
・強調の虚偽(きょうちょうのきょぎ) 文中の特定語や句を不必要に強調することによって、偽りの説得力を持つこと。
・驚天動地(きょうてんどうち) 天を驚かし地を動かすという意味で、それほど世間を酷く驚かすこと。
・今日という今日(きょうというきょう) 「今日」を強調した言葉、今日こそ必ず。
・行徳の俎(ぎょうとくのまないた) 馬鹿で人擦れしていること。 ★下総国(しもうさのくに)行徳では馬鹿貝がよくとれ、この地の爼は馬鹿貝で擦(す)れているという意<国語大辞典(小)>
・京に田舎あり(きょうにいなかあり) 賑やかな都にも田舎めいて不便な所があるという意味で、転じて、良い土地にも、悪い所があるということ。
・興に入る(きょうにいる) 面白くなる。感興を覚えて夢中になる。
・凶に乗る(きょうにのる) 他人の不幸や災難など、相手が弱い立場に立たされているのに付け込んで、自分に有利なように事を運ぶこと。
・興に乗る(きょうにのる)[=乗(じょう)ず] 面白さの勢いに任せて何かをすること。調子付いて行なうこと。
・京の着倒れ(きょうのきだおれ) 京都の人は、贅沢な衣装を着ることに心を傾けるあまり、ともすると身代を倒してしまうこともある。 ★「大阪の食い倒れ」に対していう<国語大辞典(小)>
・今日の情けは明日の仇(きょうのなさけはあすのあだ) 人の心は、その時その時の利害や感情に左右されるものだから、常に変わるものである。
・今日の後に今日は無し(きょうののちにきょうはなし) 今日という日は二度と戻って来ない。
・今日の一針は明日の十針(きょうのひとはりはあすのじゅっはり) 服の綻(ほころ)びは直ぐに縢(かが)れば一針で済むが、放っておくと破れが大きくなって十針も縫わねばならなくなる。今できることは直ぐにしてしまえということ。 類:●明日ありと思う心の仇桜●A stitch in time saves nine.(間に合った一針は九針の手間を省く)<「英⇔日」対照・名言ことわざ辞典>
・京の夢大坂の夢(きょうのゆめおおさかのゆめ) 夢の話をする前に唱える言葉。夢の中では<立身出世>も<蓄財>も思うままである、というところから付けられた。昔話の「今は昔」に通じるもの。江戸いろはガルタの「京」に書かれた言葉。 ★「京の夢」は、公家になり官位を昇りつめる<立身出世の夢>。「大坂の夢」は、豪商になり巨万の富を得る<蓄財の夢>。いずれも、『盛者(じょうしゃ)』を目指そうとする希望。
・今日は人の上明日は我が身の上(きょうはひとのうえあすはわがみのうえ) 今は他人の身の上に起こったこととして、冷淡に傍観している苦しみや災難が、すぐにも自分の身の上に降り掛かってくるかもしれないということ。
・器用貧乏(きようびんぼう)
・狂夫の言も聖人は選ぶ(きょうふのげんもせいじんはえらぶ) 頭のおかしい者が言った言葉でも、聖人はその内容如何では、それを採用する。 類:●人を以って言(げん)を廃せず
・京へ筑紫に坂東さ(きょうへつくしにばんどうさ) 方向を示す助詞で、京都では「へ」、九州では「に」、関東から東北では「さ」を用いるということから、方言には特色があるということの喩え。 出典:「四河入海」
・教鞭を執る(きょうべんをとる) 教師になって生徒を教えること。教職にあること。
・強暴占有(きょうぼうせんゆう) 相手の意思や事情などを無視して、暴力を以って独占してしまうこと。
・喬木風に折らる(きょうぼくかぜにおらる) 丈(たけ)の高い木が風の害に会い易いように、人の上位にある者は、他人の嫉妬などを受け易い。 類:●高木は風に折らる
・興味津々(きょうみしんしん) 興味が尽きない様子。とても興味が引かれること。 例:「彼が何を言うか興味津々だ」 ★「津々」は、後から後から湧き出る様子。
・今日も明日も醒め果てる(きょうもあしたもさめはてる) 「今日」に「興」を掛けた洒落。興がすっかり醒めること。
・興を咲かす(きょうをさかす) 興味を掻き立てる。興趣を湧かせる。面白味をそそる。 用例:源氏−明石「けふをさかすべき渚の苫屋」
・興を醒ます(きょうをさます) 興味が薄らぐ。面白味がなくなる。 用例:太平記−二「こは何なる天狗の所行ぞやと興をさます」