−こき(koki)−
・古稀(こき) 七〇歳。 出典:杜甫の詩「曲江」「人生七十古来稀」
・扱き下ろす(こきおろす) 1.花や葉などを枝から扱(しご)いて落とす。毟(むし)って落とす。吹き下ろす山風などを擬人化して言う。 用例:散木奇歌集−春「花こきおろす春の山風」 2.他人の欠点などを指摘して、酷く非難する。 類:●悪口を言う●貶(けな)す 例:「散々に扱き下ろす」
・御機嫌伺い(ごきげんうかがい) 1.目上の人を訪問して、敬意を表したり安否を伺ったりすること。 類:●表敬訪問 2.機嫌を伺って、巧く取り入ろうとすること。
・御機嫌斜め(ごきげんななめ) 機嫌が普通の状態ではないということで、機嫌が悪い状態。
・漕ぎ着ける(こぎつける) 1.舟などを漕いで目的の所に到着させる。2.努力して、やっとある状態にまで到達させる。また、自動詞的に用い、ある状態にまでやっと到達する。 例:「ようやく竣工に漕ぎ着けた」「とうとう開会にまで漕ぎ着けた」
・漕ぎ抜ける(こぎぬける) 1.舟を漕いで、他の舟や島の間を通り抜ける。2.困難な状態を切り抜ける。 例:「不況を漕ぎ抜ける」
・狐疑の心(こぎのこころ) 狐は酷(ひど)く疑い深い動物であるといわれるところから、何事に対しても疑い深く、怪しむような性質のこと。 類:●狐疑心●猜疑心(さいぎしん)
・小気味良い(こきみよい・いい) 1.ものごとの行なわれ方が、手際良く鮮やかで、見ていて気持ちが良い。また、見た目が引き締まっていて感じが良い。 例:「小気味よい勝ちっぷり」「小気味よく飲む」 2.相手が困ったり苦しんだりする様子を見て、好い気味である。なんとも痛快である。 類:●痛快 例:「小気味良い啖呵」 用例:滑・和合人−二「グウの音も出ぬを、こきみよく」 用例の出典:和合人(わごうじん) 滑稽本。4編13冊。初編〜3編。滝亭鯉丈、4編為永春水作。渓斎英泉画。文政6(1823)〜弘化元年(1844)刊。書名は和合神のもじり。和次郎を中心とする6人の野放図な遊び振りを描く。別称、滑稽和合人。
・呼牛呼馬(こぎゅうこば) 《四熟》 1.相手から牛と呼ばれれば自分は牛だと思い、馬だと呼ばれれば自分は馬だと思う。相手の言うがままになって逆らわないことの喩え。 出典:「荘子−外篇・天道」「昔者子呼我牛也、而謂之牛、呼我馬也、而謂之馬」 2.他人からどんなに批判されても平気でいることの喩え。 類:●対牛弾琴●対驢憮琴●馬耳東風
・呉牛月に喘ぐ(ごぎゅうつきにあえぐ) 水牛が月を太陽と間違えて喘ぐということ。転じて、思い過ごして取越し苦労をすることの喩え。 類:●呉牛の喘ぎ●羹に懲りて韲を吹く●杞憂(きゆう) 例:「蜀犬日に吠え、呉牛月に喘ぐ」 出典:「世説新語−言語」 呉牛(水牛)が暑さを嫌うあまり、月なのに、太陽と見誤って喘ぐ。
・狐裘にして羔袖す(こきゅうにしてこうしゅうす) 高価な狐の皮衣に子羊の皮の袖を付ける。 1.全体としては立派に整っているが、一部に不十分な点があることの喩え。 類:●白壁微瑕 出典:「春秋左氏伝−襄公十四年」「辞曰、余不説初矣、余狐裘而羔袖」 2.少々の難点はあるが、全体を見れば立派であること。
・孤丘の誡め(こきゅうのいましめ) 他人から恨まれないようにという誡め。 故事:「列子−説符」 狐丘という所の老人が、楚の孫叔敖(そんしゅくごう)の就任祝いに来て、人の妬(ねた)みに対する誡めを与えた。
・梧丘の魂(ごきゅうのこん) 罪もないのに殺されることの喩え。 故事:「晏子春秋−内篇・雑・下」「景公畋於梧丘、夜猶早、公姑坐睡而夢」 中国・斉の景公が梧丘(=道に突き当たる丘)で狩りをした時、仮寝の夢に五人の男が現れて、無罪で殺されたことを訴えた。
・呼吸を合わす(こきゅうをあわす) 相手と調子を合わせる。
・呼吸を呑み込む(こきゅうをのみこむ) ものごとの微妙な具合いを良く理解する。微妙な調子を会得(えとく)する。 例:「仕事の呼吸を呑み込む」
・呼吸を計る(こきゅうをはかる) ものごとを行なうのに適当な時機を見計らう。 類:●調子を整える 例:「呼吸を計って跳躍する」
・故郷へ錦を飾る(こきょうへにしきをかざる)[=に〜]
・故郷忘じ難し(こきょうぼうじがたし) 故郷の懐しさはいつまでも忘れられないものだということ。