−こころ(か)(kokoro2)−
・心掛ける(こころがける) 1.いつも心に留めておき、忘れないでいる。いつもそれを目指して努力する。 用例:右京大夫集「うらやましみと見る人のいかばかりなべてあふひをこころからくらむ」 例:「倹約を心掛ける」 2.心の準備をする。嗜(たしな)む。心得る。 用例:虎明本狂言・武悪「あいつはすすどひやつで、心がけた者じゃ程に、たばかってせい」 3.心をそちらに集中する。目掛ける。狙う。目的とする。 用例の出典:建礼門院右京大夫集(けんれいもんいんうきょうだいぶしゅう) 家集・歌日記。右京大夫(藤原伊行・これゆきの娘)。貞永元年(1232)頃か? 和歌と詞書とから成っている日記的家集。建礼門院に仕え、その宮廷生活の中で親交のあった平家一門の人々に対する追慕の情で貫かれている。
・心が広い(こころがひろい) 性格が、寛容である。小さいことに拘(こだわ)らない。鷹揚(おうよう)である。
・心苦しい(こころぐるしい) 1.心に痛みを感じる。辛(つら)く切ない。また、遣り切れない気持ちである。 類:●胸が痛む 用例:万葉−1806「荒山中に送り置きて帰らふ見れば情苦(こころぐるし)も」 2.気の毒だ。労(いたわ)しい。 用例:伊勢−96「岩木にしあらねば、心ぐるしとや思ひけん」 3.相手に済まない気持ちがする。気が咎(とが)める。 例:「そうまでしていただき、心苦しく存じます」
・心鴻鵠にあり(こころこうこくにあり) 物を教わっている最中に、鴻鵠を射ることばかり考えているということ。心が上(うわ)の空で、ものごとに身が入らない様子。 出典:「孟子−告子・上」
・心ここにあらず(こころここにあらず) →「心焉に在らざれば視れども見えず」
・心焉に在らざれば視れども見えず(こころここにあらざればみれどもみえず) 心が他のことに奪われていれば、たとえ視線が物に向かっていても、その物が目にはいらない。正しい事に心を集中しなければ、身を修めることはできない。 出典:「礼記−大学」「心不在焉、視而不見、聴而不聞、食而不知其味、此謂修身在正其心」