−こころ(さ)(kokoro3)−
・志は髪の筋(こころざしはかみのすじ) 心を込めて贈れば、仮令(たとえ)髪の毛のような些少なものでも、受け取った人は気持ちを酌(く)んでくれるということ。 類:●塵を結んでも志●気は心
・心騒ぐ(こころさわぐ) 1.心配で気持ちが落ち着かない。あまりのことで心が乱れる。 用例:落窪−一「立つとて、かい探るに、なし。心さわぎて、起ちゐふるひ」 2.嫌な予感がして胸騒ぎがする。 類:●虫の知らせ●胸騒ぎ 用例:読・春雨物語−宮木が塚「何心なくて在りしが、心さわぎぬとて、夜の亥中に帰り来て」 用例の出典@:落窪物語(おちくぼものがたり) 平安時代の物語。4巻。作者、成立年ともに未詳だが、「源氏物語」よりもやや早く、男性の手になるものと思われる。継母に虐待され、落窪の間に押し込められていた中納言忠頼の娘が、左近少将道頼の愛を得、侍女阿漕の助力で道頼に救い出され、継母はその報いを受けるが、後には一家共々幸福になる。 用例の出典A:春雨物語(はるさめものがたり) 読本。上田秋成。文化5年(1808)ごろ成立。「血かたびら」「天津をとめ」「海賊」など古典知識を元にした短編など全10編から成る。最晩年の秋成の史観・芸術観・人間観などを個性的に提示する。
・心する(こころする) 1.気を付ける。気を使う。注意する。 類:●用心する 用例:宇津保−国譲中「物など心してたてまつり給ふ」 2.心構えをする。その気持ちになる。そのつもりになる。 用例:源氏−総角「ひとり臥し給へるを、心しけるにやとうれしくて」