−こし(kosi1)−
・腰折れ文(こしおれぶみ) 1.拙劣な詩文。下手(へた)な文章。2.自作の詩文を遜(へりくだ)っていう言葉。 類:●腰折れ歌●腰折れ句
・腰が重い(こしがおもい) 無精(ぶしょう)で、まめに動かない。 例:「うちの女房は腰が重くて困る」
・腰が折れる(こしがおれる) 邪魔されて、ものごとを中途で止(や)める。 用例:伎・幼稚子敵討−三「刀の詮儀で水責のこしがをれた」
・腰が軽い(こしがかるい) 1.気軽に立ち働く。まめに働く。 類:●フットワークが軽い 2.軽率に行動する。 類:●尻が軽い
・腰が砕ける(こしがくだける) 1.腰の姿勢が崩れる。2.ものごとが、途中で続けられなくなる。
・腰掛けOL(こしかけおーえる) 結婚するまでの間、取り敢えず職に就いているオフィスレディー。長く勤める積もりなどなく、結婚相手探しに勤(いそ)しむOL。
・腰掛け仕事(こしかけしごと) 目標とする仕事に就くまでの間、一時の間に合わせでしている仕事。長く続けるつもりのない仕事。
・腰が据わる(こしがすわる) 1.腰を落ち着けてものごとをする。2.一定の地位や職業を維持する。
・腰が高い(こしがたかい) 1.腰の位置が高い。腰の据え方が高い。2.横柄である。尊大である。 類:●頭(ず)が高い 反:■腰が低い
・腰が強い(こしがつよい) 1.腰の力が強い。物を持ち上げる時などに腰の力が強い。2.気が強く人に屈しない。押し通す力が強い。押しが強い。3.粘り気が強い。粘力がある。4.しなやかで折れにくい。弾力性に富む。
・腰がない(こしがない) 1.度胸がない。胆っ玉が小さい。2.粘りがない。粘力がない。
・腰が抜けて一生立居のならぬ法もあれ(こしがぬけていっしょうたちいのならぬほうもあれ) もし約束を違(たが)えたら一生の腰抜けになりましょう、という誓いの詞。 出典:狂・六人僧「身どもは腹をたてたれば、腰が抜けて一生立居のならぬ法もあれ。腹は立てますまい」 用例の出典:六人僧(ろくにんそう) 狂言。三人旅の道中で、何をされても怒らないという誓(ちか)いをしたが、悪戯(いたずら)されて寝ている間に丸坊主にされてしまった。誓いを立てた以上怒れないが、男は策を弄(ろう)して、二人の男のかみさんを丸坊主にさせしてしまう。落語「大山詣(おおやままいり)」の元にもなっている。
・腰が抜ける(こしがぬける) 腰の骨の関節がはずれて立っていることができない。2.驚きのあまり足腰が立たなくなる。3.意気地がなくなる。心やものごとの、支(ささ)えとなっていたものがなくなる。
・腰が低い(こしがひくい) 1.腰の位置が低い。腰の据え方が低い。2.他人に対してへりくだりの気持ちがある。謙虚である。
・腰が引ける(こしがひける) 1.腰が後ろに引けている姿勢である。2.転じて、あまり率先してやりたくない様子。気が引ける場合や、怖気(おじ)ている場合にも使う。 例:「外務省は腰が引けている」
・腰が弱い(こしがよわい) 1.腰の力が弱い。物を持ち上げるときなどに腰の力が弱い。2.意気地がない。弱気である。3.粘り気がない。最初の力が最後まで続かない。4.弾力性に乏しくて、折れやすい。
・乞食が赤包(こじきがあかづつみ) 乞食が派手な赤い包みを持っている。不似合いなこと。身分不相応なものを持つことの喩え。 類:●乞食に朱椀●乞食に膳椀
・乞食が馬を買ったよう(こじきがうまをかったよう) 身分不相応なものを手に入れて、持て余すこと。持ったは良いが、始末に困ることの喩え。
・乞食が米を零したよう(こじきがこめをこぼしたよう) 1.些細(ささい)な事を大袈裟に騒ぐことの喩え。2.生活に困っている者が、より一層窮することの喩え。
・乞食に氏なし(こじきにうじなし)[=筋なし・種なし] 乞食になるのは、その身の不始末のせいであって、生まれついた家が乞食というわけではない。心掛けの悪い者が零落(おちぶ)れて乞食になるということ。
・甑に坐するが如し(こしきにざするがごとし) 「甑」は、蒸籠(せいろ)のこと。甑に座って下から蒸されているように暑い。暑気が甚(はなは)だしいことの喩え。 出典:韓愈「鄭羣贈簟詩」「自従五月困暑湿、如座深甑遭蒸炊」
・乞食に朱椀(こじきにしゅわん)[=膳椀(ぜんわん)] 乞食が立派な朱塗りのお椀を持っているという意味で、不似合なこと。また、身分不相応なことの喩え。 類:●乞食が赤包み
・乞食に貧乏なし(こじきにびんぼうなし) 乞食にまで零落(おちぶ)れれば、もうそれ以上貧乏になることはない。何も持っていなければ、失うものはないということ。
・乞食にも門出(こじきにもかどで) 乞食でさえ、仲間が旅立つときにはそれなりの祝いごとをするものである。どんなつまらないことにでも、それなりの式作法があるということの喩え。
・乞食の朝謡い(こじきのあさうたい) 乞食は朝からでも謡いをうたう。乞食は普通の人より暇があって気楽な境遇だということ。
・乞食の系図話(こじきのけいずばなし) 乞食が、零落(おちぶ)れる以前はこうだったと自分の系図の自慢話をする。言っても甲斐のない愚痴を零(こぼ)すことの喩え。
・乞食の空笑い(こじきのそらわらい) 乞食が物欲しさに、心にもない笑顔を見せる。目前の利益を得るために、心にもないお世辞やおべっかを言うことの喩え。
・乞食の断食(こじきのだんじき) 止むを得ずしている事を、まるで自発的に行なったように思わせ、殊更(ことさら)殊勝(しゅしょう)げに見せ掛けることの喩え。 類:●餓鬼の断食
・乞食も場所(こじきもばしょ) 何ごとをするにも場所を選ぶ必要があることの喩え。
・乞食も袋祝い(こじきもふくろいわい) 乞食でも初めて使う袋には祝いをする。どんなことにもそれ相応の祝いがあることの喩え。
・乞食も身祝い(こじきもみいわい) 乞食の身でも、祝うべき時には祝いをする。だれでも祝うべき時には身分相応の祝いをする。 類:●牛蒡も身祝い
・乞食も身繕い(こじきもみづくろい) 粗末なものを着ていても、身嗜(みだしな)みだけはきちんとすべきことの喩え。
・乞食を三日すれば忘れられぬ(こじきをみっかすればわすれられぬ) 1.気楽な乞食の生活の味は、一度覚えたら止(や)められない。人に頼る怠惰(たいだ)な生き方は、気楽なため、なかなか直らないものである。 類:●Let a man once be a beggar and he will be a beggar all his life. 2.悪習には染まり易く、それを改めるのは困難であるということの喩え。 反:■君子は豹変す
・腰巾着(こしぎんちゃく) 腰に付ける巾着の意味で、いつもある人に付き従って傍を離れない者。現在は、多く、目上の人の御機嫌を伺いながら、付き従っている者のことを指していう。 類:●腰刀●取り巻き●腰着け 
・腰砕け(こしくだけ) 1.相撲で、腰の構えが崩れて自分から泥鰌に落ちてしまうこと。2.ものごとを進める途中で気力が抜け、後が続かなくなってしまうこと。 例:「計画は腰砕けに終わった」
・虎視眈々(こしたんたん) 虎が獲物を狙って身構え、鋭く見詰めている様子。転じて、じっと機会を狙い、隙があれば付け入ろうと伺(うかが)っている様子。 例:「虎視眈々と帝王の座を狙う」
・五十歩百歩(ごじっぽひゃっぽ)
・五十歩を以って百歩を笑う(ごじっぽをもってひゃっぽをわらう) 五十歩逃げた者が百歩逃げた者を臆病だと笑うということ。 1.自分と大差がないのに人の言動を笑うことの喩え。 出典:「孟子−梁恵王・上」「或百歩而後止、或五十歩而後止。以五十歩笑百歩、則何如」 2.本質的に違いはないことの喩え。 類:●五十歩百歩●目糞が鼻糞を笑う●樽抜き渋柿を笑う●団栗の背比べ●似たり寄ったり