−こし2(kosi2)−
・腰に梓の弓を張る(こしにあずさのゆみをはる) 老人などの腰が弓のように曲がる。
・五指に余る(ごしにあまる) 5本の指では数え切れないという意味から、特別優れたものを数え上げていく場合、その数が5つ以上になるとき、特にその数の優位を強調していう。 例:「花嫁候補は五指に余るほどいる」
・腰に付ける(こしにつける) 1.物を腰に取りつける。2.自分の腰に付けているように人を自由に扱う。自分の手中のものとする。獲物とする。 用例:浮・人倫糸屑−逆臣「君の抜作成事をこしにつけてやがて主の国を我物にせんとたくむ」
・五指に入る(ごしにはいる) 際立ったものを数え上げていくとき、5本の指で数えられる順位のもの。1位から5位までに入るということ。 類:●五本の指に入る●指を折る●屈指●指折り
・腰抜け(こしぬけ) 1.腰に力が入らず、立つことができないこと。また、その人。 類:●腰居(こしい) 2.臆病で意気地がないこと。また、その人。 類:●臆病者●弱虫●意気地無し
・五指の更弾くは捲手の一坡に若かず(ごしのこもごもはじくはけんしゅのいっちつにしかず)[=代わる代わる弾かんより一拳(いっけん)に若かず] 一本一本の指で弾(はじ)く力は、握り拳の一撃の力に及ばない。個々別々の力は、一致団結の力に及ばないということ。 出典:「淮南子−兵略訓」「五指之更弾、不若捲手之一坡、万人更進、不若百人之倶至也」
・腰伸ぶ(こしのぶ) 1.腰を伸ばす。腰を伸ばして休む。休息する。2.家に閉じ篭もっていた人が外出する。 用例:源氏−須磨「位をもかへし奉りて侍るに、わたくしざまにはこしのべてなむど」
・腰のもの(こしのもの) 1.鞘(さや)巻きの短刀。腰刀。脇差(わきざし)。2.腰に差す刀剣の総称。3.印籠、巾着など、腰に帯びるものの総称。4.婦人の腰巻(こしまき)。
・腰二重(こしふたえ) 老人の腰が曲がって二重に見えるようになること。老人の腰が、ひどく折れ曲がった様子。 用例:宇津保−嵯峨院「頭はひた白に、こしはふたへなる女なれど」
・五車の書(ごしゃのしょ) 五台の車に積むほどの、多くの書物。多くの蔵書のことを指す。 用例:杜甫「題栢学士茅屋詩」「男児須読五車書<だんじはすべからくごしゃのしょをよむべし>」 故事:「荘子−天下」 中国の戦国時代の恵施(けいし)は、色々なことを学び、たくさんの書物を持っていた。
・こ戯れる(こじゃれる) 巫山戯(ふざけ)る。 用例:虎明本狂言・お茶の水「なんぼこじゃれたおしんぼちやな」 ★「こ」は接頭語<国語大辞典(小)> 用例に出典:お茶の水(おちゃのみず) 狂言。各流。住持(じゅうじ)に頼まれて野中の清水を汲みに出かけた門前の女を、思いを寄せる新発意(しんぼち)が追い、小歌で恋のやりとりをし、迎えに来た住持と争う。和泉流では「水汲(みずくみ)」、鷺流では「水汲新発意」という。
・小洒落る(こじゃれる) 造語。 1.ちょっと洒落ている。ややお洒落である。 例:「小洒落た割烹料理屋」 2.ほどほどに洒落ているが、十分ではない。二流である。 ★「洒落た」に「ちょっと〜である」の意味の接頭語「小」を付けたもの。昭和末〜平成初頭頃になってからの新語。
・ご愁傷様(ごしゅうしょうさま) 1.葬式の時などの挨拶(あいさつ)の言葉。 例:「この度(たび)はご愁傷様でした」 2.相手の期待が外れたことなどについて、軽く皮肉って言う言葉。 類:●お気の毒様 例:「当てが外れて、御愁傷様」
・小姑一人は鬼千匹に向かう(こじゅうとひとりはおにせんびきにむかう)・小舅〜 嫁の身にとっては、小姑の存在は厄介で厭(いと)わしいものであり、その一人が鬼千匹にも値するほど嫁の心を苦しめるものだということ。
・後生一生(ごしょういっしょう) 現世、来世を通じてもただ一度。 類:●一生に一回 例:「後生一生のお願い」
・後生大事(ごしょうだいじ) 1.仏経用語。来世の安楽を第一と考えること。信心を忘れないこと。 類:●後生一大事 2.後生まで大事に扱うという意味で、人やものごとを非常に大切に守り、保持すること。また、常に心を込めて努めること。 例:「臍の緒を後生大事に持っている」 用例:俳・文化句帖−補遺「白露や後生大事に鳴雀」 用例の出典:文化句帖(ぶんかくちょう) 小林一茶。亨和4年(文化元年)1804。・・・詳細調査中。
・後生だから(ごしょうだから)[=ですから] お願いですから。また、どうか許してください。相手に哀願するときに言う言葉。 用例:洒・傾城買二筋道「後生だから、ちよつと物言はずにゐて」 ★近世語。後生の安楽を願う意から<古語辞典(学研)> ★「仏に帰依(きえ)して功徳(くどく)を積むよう心掛けますから」ということか。
・弧掌鳴らし難し(こしょうならしがたし) 片方の掌だけでは音を鳴らすことができないという意味から、単独で事を成し遂げることは難しい、なにごとにも協力者が必要であるということ。 類:●一手の独り拍(う)つは疾(はや)しといえども声なし●弧掌みだりに鳴らず●単糸線を成さず●一文銭は鳴らぬ●一本薪(まき)は燃えぬ●片手で錐は揉めぬ
・股掌の上に玩ぶ(こしょうのうえにもてあそぶ) 弄(もてあそ)びものにする。自分の意のままにする。 出典:「国語−呉語」
・胡椒の丸飲み(こしょうのまるのみ) せっかくの胡椒の味も、噛み砕いてこそ分かるのだが、丸呑みにしてはその味も分からない。転じて、表面だけ見て、真実の意味を理解しないことの喩え。物の真価は良く検討しなければ分からない。
・後生は徳の余り(ごしょうはとくのあまり) 常日頃から熱心に徳行を積めば、自(おの)ずから来世の極楽往生も得られるものである。 ★一説に、信心も暮らしむきにゆとりがあってこそできるものであるの意とする<国語大辞典(小)> 類:●信心は徳の余り
・ご相伴に与かる(ごしょうばんにあずかる) →お相伴に与かる
・孤城落日(こじょうらくじつ) 孤立無援の城と、西に傾く落日。勢いが衰え、頼りなく心細い様子。滅び行く者の頼りなさを表わす。 類:●孤城落月●桐一葉落ちて天下の秋を知る 出典:王維の詩「送韋評事詩」「遥知漢使蕭関外、愁見孤城落日辺」 人物:王維(おうい) 中国、唐代の詩人、画家。701頃〜761。字は摩詰。官は尚書右丞に進む。中国自然詩の完成者といわれ、また、水墨を主とした山水画、人物画をよくし、南宗画の祖とされる。
・故障を入れる(こしょうをいれる) 不服を言う。邪魔をする。
・古色蒼然(こしょくそうぜん) いかにも年月を経たように見える。古びた様子が現われている。 類:●大時代 例:「古色蒼然とした山門」