−こし(を)(kosiwo)−
・腰を上げる(こしをあげる) 1.座った姿勢から立ち上がる。 例:「勘定を済ませて腰を上げる」 反:■腰を下ろす 2.漸(ようや)くあることに取り掛かる。 例:「やっと重い腰を上げて外回りに出掛けた」
・腰を入れる(こしをいれる) 1.腰の重心を低くする。 例:「腰を入れてバットを振れ」 2.本気になる。本気になってものごとに取り掛かる。 類:●本腰を入れる
・腰を浮かす(こしをうかす) 立ち上がろうとして腰を上げる。
・腰を打ち抜く(こしをうちぬく) 煽(おだ)て上げる。機嫌を取る。 類:●腰を抜く
・腰を押す(こしをおす) 1.後援する。後押しする。2.唆(そそのか)す。嗾(けしか)ける。3.腰に手などを当てて押す。
・腰を折る(こしをおる) 1.腰を曲げる。腰を屈(かが)める。2.人に屈服(くっぷく)する。頭を下げて人に仕える。従属する。 用例:浄・女夫池「小知に腰は折るまじと」 3.中途で邪魔をする。中途で妨げる。 用例:浄・烏帽子折−四「大事の咄のこしをおる」 例:「話の腰を折る」 4.下手な和歌を詠(よ)む。 類:●腰折る●腰離る 用例の出典:烏帽子折(えぼしおり) 謡曲。四、五番目物。観世・宝生・金剛・喜多流。宮増作。古名「現在熊坂」か。奥州に下る途中の牛若丸を扱ったもので、前段でその元服を、後段では盗賊熊坂長範を討つ切組み(格闘)を見せ場とする。
・腰を下ろす(こしをおろす) 立っていた人が座る。 類:●腰を掛ける 反:■腰を上げる
・腰を屈める(こしをかがめる) 身体を前に傾けて礼をする。腰を屈めて会釈をする。
・腰を掛ける(こしをかける) 尻を物の上に載せる。物の上に尻を下ろして休む。 類:●腰掛ける
・腰を据える(こしをすえる) 1.腰を沈めるようにする。腰の重心を低くする。腰を落とす。2.他に気を移さないで落ち着いて一つのものごとをする。また、ある場所にすっかり落ち着く。 例:「腰を据えて執筆に取り組む」「居酒屋に腰を据える」
・腰を突く(こしをつく) 1.倒れて地に尻を打ち付ける。尻餅を搗(つ)く。2.挫(くじ)ける。挫折する。
・腰を抜かす(こしをぬかす) 1.腰骨の関節が外れて立つことができない。腰の番(つが)いを外して立てない。また、腰に力が入らなくて立てない。 2.驚きのあまり足腰が立たなくなる。非常にびっくりして体の自由を失う。また、非常に驚くこと。 類:●腰が抜ける 用例:浄・吉野都女楠−かちぢの御幸「腰をぬかしきをうしなひ」 3.夢中になる。 用例:随・独寝−下「隠居までが、腰をぬかして此娘が噂すれば」
・腰を伸ばす(こしをのばす) 1.曲がった腰を真っ直ぐにする。2.楽な姿勢で休息する。疲れを癒(いや)す。休む。
・腰を低くする(こしをひくくする) 他人に対して遜(へりくだ)った態度を取る。
・腰を割る(こしをわる) 相撲で、腰を低く落とし、両足を開き、膝を少し曲げた姿勢を取ること。