−こと(な)(koto5)−
・事勿れ主義(ことなかれしゅぎ) 問題や周囲との摩擦を避けて、ひたすら平穏無事を願う消極的な考え方。 類:●とかく近所に事勿れ
・事無きを得る(ことなきをえる) ものごとが大事に至らずに済む。 類:●無事 例:「一時険悪なムードになったが、議長の機転で事無きを得た」
・事成る(ことなる) 1.事が成し遂げられる。成就(じょうじゅ)する。2.その時期に至る。準備が整う。事が始まる。 類:●事調(ととの)う●時宜(じぎ)を得る
・言に出ず(ことにいず)[=出(ず)] 1.はっきりと口に出して言う。 用例:万葉−四〇〇八「許登爾伊泥(コトニイデ)て言はばゆゆしみ」 2.噂が立つ。世人の口に上(のぼ)る。 用例:万葉−三四六六「ま愛(かな)しみ寝(ぬ)れば許登爾豆(コトニヅ)」
・言にしあり 言葉で言うだけで実がない。有名無実である。 用例:万葉−七二七「忘れ草わが下紐に着けたれど醜(しこ)の醜草事二思安利(ことニシアリ)けり」 ★「し」は強意の助詞<国語大辞典(小)>
・事によると(ことによると)[=よれば] 事柄の経緯によると。もしかすると。有り得る事柄を仮定して、または危惧(きぐ)して述べるときに言う言葉。 類:●ひょっとすると
・殊の外(ことのほか) 思っていたことと違っている。多くは、程度が甚だしい場合に使う。 類:●思いの外●案外●意外●存外 用例:宇津保−楼上上「うつくしげに、あてにけだかき事の、いとことのほかにもあらぬを」 例:「殊の外に出費がかさむ」