−こと(や)(koto8)−
・事寄せる(ことよせる) 1.ある事に託す。口実にする。 類:●託(かこつ)ける 用例:源氏−乙女「母后のおはしまさぬ御かはりの後見にとことよせて」 2.言葉で味方する。助力する。 用例:万葉−4106「天地の神許等余勢(コトヨセ)て春花の盛りもあらむと待たしけむ時の盛りそ」 3.噂を立てる。言い立てる。 用例:万葉−1109「君が手取らば縁言(ことよせ)むかも」 4.託(ことづ)ける。伝言する。依託する。 用例:新古今−1129「忍びあまりあまの川瀬にことよせん」 用例の出典:新古今和歌集(しんこきんわかしゅう) 鎌倉初期にできた、8番目の勅撰和歌集。20巻。歌数は流布本で約2000首。建仁元年(1201)後鳥羽院の院宣によって源通具、藤原有家・家隆・定家・雅経が撰し、元久2年(1205)成立したが、その後も切り継ぎ(改訂)が行われた。代表歌人は西行、慈円、寂蓮、式子内親王、藤原良経・俊成・定家・家隆など。繊細で優雅な調べが追求され、耽美(たんび)的・ロマン的・情趣的な傾向が強く、その歌風は「万葉集」「古今集」と並び称される。八代集の一つ。「新古今集」とも。