−こつ(kotu)−
・克己復礼(こっきふくれい) 過度の自己主張を抑制し、礼儀に則(のっと)ること。 出典:「論語−顔淵」「顔淵問仁、子曰、克己復礼為仁」
・刻苦勉励(こっくべんれい) 心身を苦しめるほどに、ひたすら努力を重ね、勉学や仕事に励むこと。 類:●刻苦精励●刻苦勉学●刻苦問学(もんがく)●粒粒辛苦
・骨髄に徹す(こつずいにてっす)[=入(い)る・徹(とお)る] 骨の髄まで染み込む。心の底に深く染み入る。 用例:黄・御存商売物−下「無念こつずひにてっし」 ★多く、耐え難い怨恨の情の表現に用いる<国語大辞典(小)> 用例の出典:御存商売物(ごぞんじのしょうばいもの) 黄表紙。山東京伝。天明2年(1782)。転寝(うたたね)の夢に擬人化された本たちが登場するもの。上方から江戸へ下ってきた八文字屋の読本と、行成表紙の下り絵本が、江戸で出版されている青本やそのほかの戯作、地本にけちをつけようとする。
・骨髄を砕く(こつずいをくだく) 非常に苦心、苦労をする。 類:●骨身を削る●心身を砕く●身が細る●肝胆(かんたん)を砕く
・骨体連なる(こつたいつらなる) 骨と体が繋(つな)がるという意味から、げっそりと痩せて、骨と皮ばかりになっている様子。 類:●骨と皮になる
・ごった返す(ごったがえす) 1.非常に混雑する。入り乱れて混雑を極める。 用例:滑・膝栗毛−発端「ごったかへして、たばこぼんをふみくだくやら」 2.葛藤を生じる。 類:●ごたつく ★「ごたかえす」「ごったかえす」とも。
・こっちのもの 1.自分のもの。自分の所有となったもの。また、自分の思いのままになるもの。 例:「彼がいれば勝利はこっちのもの」 2.この世のもの。 用例:洒落・廓の桜「ゆうれいじみ、どうでこっちのものとは思はれぬ」 用例の出典:廓の桜(くるわのさくら) 洒落本。田螺金魚?。安永7年(1778)。「当世虎之巻」と一緒に綴じて出版された。 参考:当世虎之巻(とうせいとらのまき) 洒落本。田螺金魚。安永7年(1778)。廓の遊女の手練手管を綴ったもの。
・凝っては思案に余る(こってはしあんにあまる)・能(あた)わず ものごとにあまり熱中し過ぎると、却(かえ)って本質が見えなくなって、良い考えが浮かばなくなるものである。 類:●分別過ぐれば愚に返る
・骨肉相食む(こつにくあいはむ) 親子・兄弟などの血縁同士が争うこと。肉親同士が殺し合うこと。 類:●血で血を洗う ★日本語起源のことわざ。
・骨肉の争い(こつにくのあらそい) 血縁関係の者同士の争い。
・骨肉の親(こつにくのしん) 親子・兄弟などの、血を分けた間柄。 出典:「呂氏春秋−精通」「此之謂骨肉之親」
・骨箱を叩く(こつばこをたたく) 大きな口を叩く。 類:●御大層をまける
・木っ端の火(こっぱのひ) 1.木の削り屑(くず)などが燃える火。 2.すぐ燃え尽きて火持ちがしないところから、儚(はかな)いこと、呆気(あっけ)ないことの喩え。また、他愛(たわい)のないことの喩え。 類:●河童の屁
・木っ端微塵(こっぱみじん) 粉々に砕けること。 類:●骨灰微塵●粉微塵
・木っ端役人(こっぱやくにん) 下級の、取るに足りない役人。また、役人を罵(ののし)る言葉。
・コップの中の嵐(こっぷのなかのあらし) 外部の人たちには大して影響を及ぼさない、ごく仲間内の揉めごと。また、当事者同士は紛糾しているが、周りには殆ど影響を及ぼさないことの喩え。 類:●内輪揉め ★「Storm in a Teacup」(W・B・バーナード作の劇の題名)による。ヴィヴィアン・リー主演の映画の邦題は、『茶碗の中の嵐』。
・小爪を拾う(こづめをひろう) 言葉尻を捉(とら)えて非難する。 類:●姑(しゅうとめ)の粗拾い