−こう(た)(kou4)−
・好大喜功(こうだいきこう) 《四熟》大事を為し功績を上げようとする。功名心に囚われて功を焦ること。とかくスタンドプレーの多い人を、揶揄(やゆ)していう。 類:●大を好み功を喜ぶ
・広大無辺(こうだいむへん) 広さ、高さ、大きさなどが限りないこと。大きくて果てしないこと。
・更闌く(こうたく) 「闌く」は闌(たけなわ)・盛りになるという意味で、夜が更(ふ)けること。
・碁打ち鳥飼い馬鹿の中(ごうちとりかいばかのうち) 碁を打つ者と鳥飼いは、熱中するあまり、いつまででもやり続けている。時間を無駄にするのを嘲(あざけ)っていう。
・碁打ちに時なし(ごうちにときなし) 碁を打つ者は、勝負に夢中になって、時間が過ぎるのを少しも気にしない。碁打ちには時間の観念がまったくない。 類:●爛柯(らんか)
・巧遅は拙速に如かず(こうちはせっそくにしかず) 1.戦術が拙(まず)くても、素早く行動して、早く終結させるのが良いということ。即戦即決を奨(すす)めたもの。 出典@:「孫子−作戦篇」「兵聞拙速、未睹巧之久也」 出典A:「文章軌範−有字集・序」「場屋中日キ[日/咎]有限、巧遅者不如拙速」 2.仕事のできが良くて遅いのは、できが拙くて早いのに及ばない。ものごとは素早く決行すべきであるということ。 反:■急がば回れ 出典:文章軌範(ぶんしょうきはん) 中国の文集。南宋の謝枋得(しゃぼうとく)。7巻。科挙(かきょ)受験者が模範とすべき唐宋の名文を中心に選び、圏点・評注を加えたもの。韓愈(かんゆ)・柳宗元・欧陽脩・蘇洵・蘇軾・蘇轍らの文章六九編を放胆文・小心文に分類して集録。日本には室町末期に伝来した。
・口中の雌黄(こうちゅうのしおう) 中国の古書の紙は黄色で、誤字を抹消するのに雌黄(=石黄)を用いたことから、一度言った言論や意見、不適切な表現を訂正すること。 出典:「晋書−王衍伝」「義理有所不安、随即改更、世号口中雌黄」
・後凋(こうちょう) 松柏が普通の草木に後(おく)れて萎(しぼ)むこと。転じて、苦難に堪えて固く節操(せっそう)を守ることの喩え。 類:●後凋の心●後凋の節(せつ)●歳寒の松柏(しょうはく) 例:「後凋の節」 出典:「論語−子罕」「歳寒然後、知松柏之後凋也」
・業突く張り(ごうつくばり) 非常に欲が深く、意地汚いこと。強情で意地っ張りなこと。また、そのような人を罵(ののし)っても言う。 類:●業突く 例:「あの金貸しの婆さんは業突く張りだ」
・高天に跼む(こうてんにせくぐむ) 高い天の下にあって背を屈(かが)めて歩くということで、圧制の下で、広い天地の中で縮こまって行動することの喩え。 類:●跼天蹐地 出典:「詩経−小雅・正月」「謂天蓋高、不敢局、謂地蓋厚、不敢不蹐」
・紅燈の巷(こうとうのちまた) 華やかな灯りが点(つ)いている夜の街ということで、花柳街。色町(いろまち)。また、遊郭、娯楽場、飲食店などの並ぶ歓楽街。 類:●花柳の巷●酒池肉林の巷●歓楽の巷●別天地●傾城の巷
・荒唐無稽(こうとうむけい) 言動に根拠がなくて、取り止めがない。出鱈目(でたらめ)である。 類:●荒唐の言 例:「荒唐無稽な空想に酔う」 出典:「荘子−天下」「荒唐之言、無端之辞」 ★「無稽」の出典は、「書経−大禹謨」「無稽之言勿聴」
・狡兎三窟(こうとさんくつ) 狡(ずる)賢い兎は隠れる穴を三つ持っていて、危険が迫ると最も安全な穴に逃げ込んで危険を避けるという。用心深くて難を逃れることが上手であること。また、身を守るための安全な場所のこと。 類:●身を蔵する三窟 出典:「戦国策−斉策」
・狡兎死して走狗烹らる(こうとししてそうくにらる)[=良狗(りょうく)烹らる] 「狗」は犬のこと。狡兎が死ねば、猟犬は不用となり、煮て食われるだろうということ。敵国が滅びれば、それまで手柄(てがら)があった謀臣は邪魔にされて殺されるということ。 類:●狡兎尽きて良犬烹らる●飛鳥(ひちょう)死して良弓蔵(おさ)めらる 出典:「韓非子−内儲説・下」「狡兎盡則良犬烹、敵国滅則謀臣亡」・「呉越春秋−夫差内伝」など