−こう(な)(kou5)−
・功成り名遂げて身退くは天の道なり(こうなりなとげてみひくはてんのみちなり・みしりぞくは〜) 手柄を立て名声を得た後は、さっさと引退するのが自然の道に適(かな)ったやり方である。 類:●金玉堂に満つれば之を能く守る莫し●富貴にして驕れば自ら其の咎を遺す 出典:「老子−九章」「金玉満堂、莫之能守。富貴而驕、自遺其咎。功成名遂、身退天之道」
・功なり名遂げる(こうなりなとげる) 立派な仕事をし、併(あわ)せて名声を得る。
・江南の橘江北に移されて枳となる(こうなんのたちばなこうほくにうつされてからたちとなる・きとなる) 住んでいる土地の風俗の善悪によって、人の性質も変化するものだということの喩え。 類:●南橘北枳(なんきつほくき) 故事:「韓詩外伝−十」「王不見夫江南之樹乎、名橘。樹之江北、則化為枳」 揚子江の南方に産する橘を、江北に移植すると枳に変わる。 ★晏子(あんし)が、景公の使いで南方の楚に赴いたとき、楚王との問答の中で使った言葉。
・郷に入っては郷に従う(ごうにいってはごうにしたがう) その土地の風俗や習慣に従うのが処世の法である。 類:●俗に入れば其の俗に従う●郷に居ては郷に従え●竟(きょう)に入っては禁を問え●里に入りては里に従う●所の法に矢は立たぬ●ローマではローマのごとく生きよ 出典@:「荘子−外篇・山木」「入其俗従其俗」 出典A:「童子教」「入郷而従郷、入俗而随俗」
・甲に着る(こうにきる) 他人の威光を借りて威張る。また、自分の地位や役目を鼻に掛けて威張る。 類:●笠に着る●虎の威を借る狐
・業に沈む(ごうにしずむ) 自分、もしくは、祖先の悪業のために、苦しみを受けて浮かばれない。
・甲の座(こうのざ) ここでの「甲」は第一位という意味。一番の上席。最も良い場所。
・香の物(こうのもの) 1.古くは味噌漬、のちには糠、塩、粕などに漬けた野菜類を指すいう。 類:●漬け物●お香香(こうこ) 2.特に大根漬。沢庵(たくあん)。 ★「香」は味噌<国語大辞典(小)>
・剛の者(ごうのもの)[=人] 1.優れて強い者。強くて勇敢な者。 用例:平家−四「金武といふ大ぢからのかうの物」 2.ある方面に抜きん出て、非常に強い人。その道の達人や強(したた)か者。 例:「色事に掛けては剛の者」 ★古くは「こうのもの」「こうのひと」<国語大辞典(小)>