−くら(kura)−
・食らい込む(くらいこむ) 1.迷惑な事を負担する。厄介事を背負(しょ)い込む。 用例:雑俳・柳多留−三「その跡を大屋のむす子くらいこみ」 2.捕えられて牢獄、刑務所に入る。 類:●拘引される 用例:伎・夢結蝶鳥追−三幕返し「喰ひ込んだら命の終り」 用例の出典:夢結蝶鳥追(ゆめむすぶちょうのとりおい) 歌舞伎。河竹黙阿弥。安政3年(1856)。通称「せった直長五郎」・・・詳細調査中。
・鞍替えする(くらがえする) 1.遊女や芸者などが他の店に勤めの場所を替える。 ★「廓替え」(くるわがえ)からの転という。 2.それまでにしていたことを止(や)めて、他のことを始める。また、対象とするものや職業などを替える。 類:●鞍を替える 例:「彼女はまた別の男に鞍替えしたそうだ」
・鞍掛け馬の稽古(くらかけうまのけいこ) 「鞍掛け馬」は馬術の練習に使う木馬のこと。実地の練習ではないので、実際の役には立たないこと。 類:●炬燵兵法●畳の上の水練
・蔵が建つ(くらがたつ) 昔から蔵を持っているのは金持ちに限られていたところから、大金持ちになること。
・暗がりから牛(くらがりからうし)
・暗がりに鬼を繋ぐ(くらがりにおにをつなぐ) はっきりと正体が分からないで、気味が悪いこと。 類:●暗隅に鬼を繋ぐ●暗がりの鬼●鬼が出るか仏(蛇)が出るか
・暗がりの犬の糞(くらがりのいぬのくそ) 他人が気付いていないのを良いことに、自分の失敗を押し隠して知らん振りをすること。
・水母の骨(くらげのほね) ある筈のない物。また、非常に珍しいこと。
・暗隅に鬼を繋ぐ(くらすみにおにをつなぐ) 真相を知ることができなくて、気味が悪いことの喩え。 類:●暗がりに鬼を繋ぐ
・暗闇から牛を引き出す(くらやみからうしをひきだす) →暗がりから牛
・暗闇の鉄砲(くらやみのてっぽう) 向こう見ずに事を行なう、または、当てずっぽうにする。 類:●闇夜の鉄砲●闇夜の礫
・暗闇の恥を明るみへ出す(くらやみのはじをあかるみへだす) 穏便にしていれば人に知られないで済む恥を、荒立てて、却って世間に暴露してしまう。
・暗闇の頬被り(くらやみのほおかむり) 無益なこと。無用なこと。暗闇なら隠そうとしなくても顔が見えないのに、頬被りすること。
・鞍を替える(くらをかえる) 別の馬に乗り替えるという意味から転じて、職業や店・相手などを替えること。 類:●鞍替えする