−くろ(kuro)−
・玄人(くろうと・くろと) 1.技芸などに熟達した人。または、そのことを職業としている人。 類:●専門家●本職 反:■素人(しろうと) 例:「玄人はだしの腕前」 2.芸妓や娼婦など、商売女を指す言葉。水商売の女。 反:■素人 例:「玄人じみた女」 ★
語源は諸説あり。囲碁に関するものとする説が有力。平安期までは上位者が黒石を持ち「黒人(くろひと)」と呼ばれたことからとする。「玄人跣(くろうとはだし)」は、別の仕事を持ちながら、碁の達人が裸足で逃げ出すほどの腕前の者のことからという。その他、役者評判記で上位者を表わす「黒吉」からとも、芸を持たない遊女「白人(しろと)」の対語からともいわれる。また、中国の玄人(=僧侶…黒衣を着ていた)と素人(=平民)からとも。
・玄人跣(くろうとはだし)・玄人裸足 素人(しろうと)であるのに、技芸や学問などに玄人(=専門家)が驚くほど優れていること。 類:●裸足で逃げる ★玄人も驚いて、裸足で逃げ出すほどである意味。
・黒字(くろじ) 収支決算で、不足額を赤い文字で書くのに対して、収入超過額を黒い字で書くところから、収支決算の結果、余剰が生じること。また、その余剰。 反:■赤字
・黒に黒を足しても白にはならぬ(くろにくろをたしてもしろにはならぬ) 1.他人もやってることだからといって、自分の悪事が正当化されるものではない。悪事は、状況がどうあろうと悪であるということ。 ★英語の諺Two
blacks do not make a white.から。 2.悪に対する仕返しはやはり悪である。 反:■目には目
・黒幕(くろまく) 1.黒い色の幕。特に歌舞伎で用い、場の替わり目に舞台を隠したり、背景にして闇を表現したりする。2.比喩的に、表立って顔を見せず、謀(はかりごと)を画策(かくさく)したり、指図(さしず)したりする者。 類:●傀儡師(かいらいし) 例:「政界の黒幕と呼ばれている」
・黒文字(くろもじ) 1.楠(くすのき)科の落葉低木。2.黒文字の木から作ることから、楊枝(ようじ)。特に、茶道で和菓子に添えて出されるもの。一般に、小楊枝の称としても使われる。3.墨で黒々と書かれた文字。また一般に、文字。