−くさ(kusa)−
・臭い飯を食う(くさいめしをくう) 囚人として牢獄の飯を食うという意味で、刑務所に入れられること。 類:●服役する
・臭いものに蠅が集る(くさいものにはえがたかる) 悪臭のものに不潔な蠅がたかるようにして、悪い仲間同士は類をもって集まるものだということ。
・臭いものに蓋をする(くさいものにふたをする)
・臭い者身知らず(くさいものみしらず) 自身に悪臭がある者が自分ではそれに気付かないという意味で、自分自身の欠点はなかなか自覚しがたいものだということ。
・草木にも心を置く(くさきにもこころをおく) 草木が風に戦(そよ)ぐようなちょっとしたことにも気を配ってびくびくする。 類:●木にも萱にも心を置く
・草木も靡く(くさきもなびく) 威勢や徳望などが著しいために、全ての者が靡き従うということ。勢いが盛んであることの喩え。
・草木も眠る(くさきもねむる) 夜が更け渡って静かで寂しい様子。 例:「草木も眠る丑三つ時」
・草木も揺るがず(くさきもゆるがす) 世の中がよく治まって平和であること。
・臭しと知りて嗅ぐは馬鹿者(くさしとしりてかぐはばかもの) 臭いものだと分かっているのに、わざと嗅いでしかめっ面をする。危ないことだと分かっているのに、それに近付くのは馬鹿であるということ。 類:●危邦に入らず乱邦に居らず●君子危うきに近寄らず
・腐った林檎は周りを腐らせる(くさったりんごはまわりをくさらせる) 集団内に一人の悪人(不良)などがいると、周りを感化して同類のものに変えてしまうという喩え。 ★14世紀のラテン語の諺The
rotten apple injures its neighborsによる。
・腐っても鯛(くさってもたい)
・草の腐れ(くさのくされ) 蛍(ほたる)のこと。 類:●腐草(ふそう) 故事:「礼記−月令」 腐った草が化して蛍になる。
・草の根を分けて捜す(くさのねをわけてさがす) あらゆる手段を尽くして、残るところなく隅々まで捜す。 類:●草を分けて捜す
・草の宿(くさのやどり・やど) 草の上を宿とすること。野宿すること。また、草葺(ぶ)きの粗末な庵(いおり)。 類:●草の庵●草庵
・草の縁(くさのゆかり) ある一つの因縁(いんねん)によって、それに繋がる他のものにも情愛を感じること。転じて、何らかの縁で繋がるもの。 出典:「古今集−八六七・紫のひともとゆゑに武蔵野の草はみながらあはれとぞ見る」
・楔を打ち込む(くさびをうちこむ) 1.楔を打ち込む。2.比喩的に、敵陣に攻め込み、これを二分する。3.比喩的に、仲を裂こうとして邪魔する。 4.諄(くど)く念を押す。 類:●楔(くさび)を刺す
・楔を刺す(くさびをさす) 後になって、間違いが起こらないように、前もって固く約束しておく。 類:●釘を刺す●釘を打つ●駄目を押す●念を押す
・草深い(くさぶかい) 1.草が深く生い茂っている。 用例:源氏−竹河「かくいと草ふかくなりゆくむぐらの門をよき給はぬ御心ばへ」 2.田舎めいている。鄙(ひな)びている。 用例:人情・恩愛二葉草−初「浅ましや草深(クサブカ)い田舎から、花の緑の都へ出て」 用例の出典:恩愛二葉草(おんないふたばぐさ) 人情本。天保(1830年代)頃。鼻山人(びさんじん)。・・・詳細調査中。
・楔を以て楔を抜く(くさびをもってくさびをぬく) 楔を抜くには別の楔を打ちこみ、ゆるめてから抜く者だという意味で、悪を取り除くには悪を以てすることのたとえ。 類:●毒を以て毒を制す
・草も揺るがず(くさもゆるがす) 平和であること。 類:●草木も揺るがず
・腐るほど(くさるほど) 物が有り余るくらいある。 例:「金なら腐るほどある」
・腐れ縁(くされえん) 長く続いて離れようとしても離れられない悪縁。 類:●腐り縁 ★「鏈れ縁」から「鎖のように繋がって離れない縁」ともいう。
・腐れ縁は離れず(くされえんははなれず) 良くない縁と分かっていても、腐れ縁は、なかなか断ち切ることができないものだということ。 類:●悪縁契り深し●悪女の深情け
・腐れ柿が熟柿を笑う(くされがきがじゅくしをわらう) 自分自身の欠点には気付かないで、他人の欠点を指摘して嘲(あざわら)うことの喩え。 類:●青柿が熟柿弔う●蝙蝠が燕を笑う●猿の尻笑い●目糞鼻糞を笑う
・腐れ金(くされがね) 僅かばかりのお金。 類:●はした金●目腐れ金
・草分け(くさわけ) 1.草深いところを、掻き分けながら行くこと。また、そういう場所。2.土地を開拓して、一村一町の基礎を築くこと。また、その人。3.初めてものごとを創始すること。また、その人。 類:●先駆者●創始者●pioneer
・草を打って蛇に驚く(くさをうってへびにおどろく) 何気なくしたことが意外な結果を生むこと。
・草を結ぶ(くさをむすぶ) 1.上代の呪術的な習俗。草の葉や茎を結んで、そこに自分の霊魂を結び込めて、生命の安全、旅の無事、幸運の持続などを願う。また、結んだ草が解けてしまうかどうかで吉凶の占いともした。2.草を結んで仮の枕とするという意味で、旅寝をすること。また、草庵を営むこと。3.道なき山野などを行く時、後から来る者への道標(みちしるべ)として草で結び目を作る。4.恩に報いること。 故事:「春秋左氏伝−宣公一五年」 娘の生命を助けてくれた、晋の魏顆に恩を返すため、顆が秦の杜回と戦った時、その娘の父親が老人となって現われ、草を結んで杜回を躓(つまづ)かせて助けた。
・草を分けて捜す(くさをわけてさがす)[=尋ねる・詮議(せんぎ)する] あらゆる手段を尽くして、残るところなく隅々まで捜す。 類:●草の根を分けて捜す