−くし(kusi)−
・九思の一言(くしのいちごん) 十分思慮を巡らしてから一言述べること。
・孔子の倒れ(くじのたおれ) 孔子(こうし)のような聖人君子でも、時として失敗することもあるということ。 類:●孔子倒れ(くじだおれ)●弘法にも筆の誤り●猿も木から落ちる●河童の河流れ●千慮の一失 用例:源氏−胡蝶「恋の山には孔子のたふれ」 ★「くじ」は、孔子の呉音。
・櫛の歯が欠けたよう(くしのはがかけたよう) 延々と続く筈のものや、揃って並んでいる筈のものが、所々抜けている様子。
・櫛の歯を挽くが如し(くしのはをひくがごとし)[=歯の如し] 人の往来やものごとなどが、引っ切り無しに絶え間なく続くこと。 用例:「太平記−三四」「国々の早馬、鎌倉へ打ち重なって急を告げること櫛の歯をひくが如し」
・九尺二間(くしゃくにけん) 間口(まぐち)九尺(約2.7メートル)奥行二間(約3.6メートル)の家のことで、江戸時代、最も狭い大きさの住居のこと。転じて、粗末なむさ苦しい住居や裏長屋のこと。 類:●九尺棚(くしゃくだな)
・愚者も千慮に一得有り(ぐしゃもせんりょにいっとくあり) 愚かな者でも、時には役に立つ名案を出すことがある。 類:●愚者も一得●阿呆にも一芸●馬鹿にも一芸●能無しの能一つ●千慮の一得●苦瓢にも取柄あり 出典:「史記−淮陰侯伝」「智者千慮必有一失、愚者千慮必有一得」
・苦汁を舐める(くじゅうをなめる) 苦い経験をする。苦しい思いをする。
・九修練行(くしゅれんぎょう) 長年修行して、行に熟練すること。
・鯨に鯱(くじらにしゃちほこ) 付き纏(まと)って、不都合や害を与えること。また、邪魔に思われても、どこまでも付いて行くこと。
・苦心惨憺(くしんさんたん) たいへん苦心して工夫を凝らす。 例:「苦心惨憺の末成功した」