−くす(kusu)−
・愚図愚図(ぐずぐず) 1.言動が曖昧(あいまい)ではっきりしない様子。のろのろした様子。 類:●ぐずりぐずり 例:「布団の中でぐずぐずしている」 2.ぶつぶつと不平を言う様子。 類:●愚図る 例:「いつまでもぐずぐず言うな」 3.はっきりと定まらない様子。 類:●愚図付いた 例:「ぐずぐずした天気」 4.煮物などが煮える様子。また、その音。 類:●ぐつぐつ 5.鼻風邪などで鼻が詰まり気味な様子。 例:「鼻がぐずぐずしている」 6.固く締(し)まっていない様子。しっかり固定していない様子。締まりなく崩れる様子。 例:「ぐずぐずに崩れた豆腐」 7.態度がはっきりしない様子。 類:●のらりくらり 例:「ぐずぐずの答弁」 8.ものごとに締まりがなくなる様子。 類:●だらしなく 例:「ぐずぐずに酔う」 ★「愚図愚図」は当て字<国語大辞典(小)>
・楠学問(くすのきがくもん) 楠は成長こそ遅いが着実に大木になるところから、進歩は遅くても、堅実に成長していく学問。 反:■梅の木学問
・楠分限(くすのきぶげん・ぶんげん) 楠は成長こそ遅いが着実に大木になるところから、財産を手堅く増やしてゆく金持ち。 反:■梅の木分限
・燻る(くすぶる) 1.火が良く燃えずに煙ばかりが出る。 類:●燻(いぶ)る 2.煤(すす)で黒くなる。使い古して黒ずむ。 類:●煤ける 3.家や田舎に引き篭もって、目立たないように暮らす。世間的に認められない地位・境遇に留まる。 例:「平社員のまま燻っている」 4.揉め事などが、完全には解決しないままになっていて、再び表面化しそうな状態である。 例:「執行部に対する不満が燻っている」
・薬が効く(くすりがきく) 1.処方した薬の効果が現われる。2.与えた忠告や罰の効果が現われる。
・薬九層倍(くすりくそうばい) 薬の売価は原価に比べて非常に高いということで、薬屋の商法の悪どさを喩えた言葉。また、一般に、暴利を貪(むさぼ)ること。 類:●魚三層倍●呉服五層倍●百姓百層倍●坊主丸儲け
・薬にしたくも無い(くすりにしたくもない)[=しようと言っても無い] ほんの少しもない。全然ない。 用例:浮・傾城禁短気−二「こんな大臣は男色の方には、薬にせふといふてもなし」
・薬にする程(くすりにするほど) 非常に少ない。 例:「あいつには人情など薬にする程もない」
・薬になる(くすりになる) 実際には医薬品でないが、健康に良い効果がある。また、その人の精神に良い影響を与えるものごと。ためになるもの。 例:「落第もいい薬になった」
・薬人を殺さず、薬師人を殺す(くすりひとをころさず、くすしひとをころす) 薬によって人が死んだとしても、罪はその薬にあるのでなく、与えた人の方にある。物は使いようが大切で、使う人によって毒にも薬にもなるということ。
・薬も過ぎれば毒となる(くすりもすぎればどくとなる) 薬にも適量があって、あれこれ飲み過ぎれば却(かえ)って健康を損(そこ)ねるということ。なにごとも度を過ごすのは良くないということ。 類:●過ぎたるは猶及ばざるが如し
・薬より養生(くすりよりようじょう) 薬を飲むよりも平生な養生の方が、健康には効果があるということ。 類:●一に看病二に薬
・愚図六(ぐずろく) 決断力のない者や動作が愚鈍な者を、人名のように表わした言葉。 類:●愚図郎兵衛●愚図郎左衛門●のろさく
・愚図郎兵衛(ぐずろべえ) 1.ものごとをてきぱきと行なわない人。決断力のない者や動作が愚鈍な者を人名のように表わした言葉。 類:●愚図郎左衛門●愚図六●のろさく 2.緩(ゆる)んでがたがたなこと。大き過ぎること。3.俗語で、陰萎(いんい)や性的不能者を指す言葉。