−くち(か)(kuti2)−
・口が重い(くちがおもい) 口数が少ない。寡黙(かもく)である。
・口が堅い(くちがかたい)・固い 軽率に他言するようなことがない。秘密などを軽々しく誰かに話さない。また、そのような性格である。 類:●口堅い(口固い) 反:■口が軽い
・口が軽い(くちがかるい) 1.言ってはいけないことまで、軽率に喋(しゃべ)りがちである。秘密などを軽々しく話してしまいがちである。また、そういう性格である。 反:■口が堅い 2.良く喋る。多弁である。 反:■口が重い
・口が利く(くちがきく) 交渉などに当たって、相手を良く知っていたり交際が広かったりするために、有能な働きをすることができる。 類:●顔が利く
・口が利けない(くちがきけない) 意外な事態にどうして良いか分からなくなる。 類:●色を失う●声も出ない
・口が腐っても(くちがくさっても) 口を動かさないために口が腐ることになってもという意味で、言わない決意が強いこと。 類:●口が裂けても
・口が肥える(くちがこえる) 美味いものを食べ慣れている。食べ物に贅沢(ぜいたく)である。 類:●口が奢る
・口が裂けても(くちがさけても) 口外しないことを強調する言葉。下に打消しの言葉を伴なって使われる。 類:●口が腐っても 例:「口が裂けても言えない」
・口が過ぎる(くちがすぎる) 1.人並み外れて口喧(やかま)しい。2.控えるべき事柄、遠慮すべき事柄、失礼な事柄を言う。 例:「こら。社長に向かって口が過ぎるぞ」
・口が酸っぱくなる(くちがすっぱくなる)・酸くなる(すくなる) 同じことを何度も繰り返して言う。嫌になるほど度々同じ事を言う。
・口が滑る(くちがすべる) 言わないと誓ったことや、言う必要もないことなどを、思わず言ってしまう。
・口が干上がる(くちがひあがる) 飲食物が得られないために、口が乾涸(ひから)びるということで、暮らしが立たなくなる。 類:●口が上がる
・口が塞がらぬ(くちがふさがらぬ) 呆れて言葉が出ない。 例:「開いた口が塞がらぬ」
・口が減らない(くちがへらない) ここでの「減る」は負けるの意味。道理に負けても、なお理屈を並べ立てる。負け惜しみを言う。また、勝手なことを遠慮なく言う。 類:●減らず口を利く(叩く)
・口が曲がるくちがまがる) 1.その罰として口の形が歪(ゆが)んでしまうという意味。目上の人や恩義のある人に対する悪口や過剰な望みを口にすることを諌(いさ)める言葉。 例:「そんな言い方をすると口が曲がるぞ」 2.渋いものや不味いものを食べて、口が痺(しび)れる感じである。 ★「鼻が曲がる」との混用からか。
・口から高野(くちからこうや) 口が災いの元になって高野山で坊主にならなければならなくなるという意味で、口を慎(つつし)まないため大きな失敗をすること。 類:●口は禍の門
・口から先に生まれる(くちからさきにうまれる) お喋りや、口の達者な者。嘲(あざけ)りの意味合いを含む。
・口が悪い(くちがわるい) 1.言葉使いや話す内容が、粗悪である。また、憎まれ口を利く性質である。2.他人をあまり誉めない。3.食欲が起きない。
・朽ち木は雕るべからず(くちきはえるべからず) 朽ちた木は彫刻するに値(あたい)しない。やる気のない怠(なま)け者は、誰がどう教えようと、どうにもならないということの喩え。 類:●朽ち木は柱にならぬ●朽木糞牆●糞土の牆は塰るべからず 出典:「論語−公冶長」「宰予昼寝、子曰、朽木不可雕也、糞土之牆不可塰也」 孔子が、昼寝をしていた宰予(さいよ)を見て言った言葉。
・朽木は柱とならず(くちきははしらとならず) 朽ちた木は柱となることはない。転じて、心根の腐った者は重要な役割を果たすことはできないということ。
・口食うて一杯(くちくうていっぱい) 食べるだけで精一杯で、余裕がない生活。
・口車に乗せる(くちぐるまにのせる) 巧みに言い包(くる)めて相手を騙(だま)す。 類:●口三味線に乗せる
・口車に乗る(くちぐるまにのる) 巧みに言い包(くる)められて騙される。人の口先に欺(あざむ)かれる。
・口答え(くちごたえ) 目上の人の言葉に言い返すこと。特に、逆らうような返事をすること。また、そのような返答。 類:●口返答 例:「親に口答えする」