−くう(kuu)−
・食うか食われるか(くうかくわれるか) 相手を食うかこちらが食われるかというような、力の拮抗した命懸けの戦い。
・空々寂々(くうくうじゃくじゃく) 1.仏教用語。「空寂」の「くう」と「じゃく」をそれぞれ重ねて強めた言葉。この世の全ては空であるということ。2.何物にも捕らわれず無心であること。転じて、ぼんやりして感受性が乏しい様子。思慮分別がない様子。 用例:古道大意−上「そんな志も無く、謂(いは)ゆる空々寂々とやらで居る人は」 用例の出典:古道大意(こどうたいい) 平田篤胤。文化8年(1801)。・・・詳細調査中。
・空々漠々(くうくうばくばく) 「空漠」の「くう」と「ばく」をそれぞれ重ねた言葉。広々として限りがないこと。また、ぼんやりとして、捉えどころがない様子。 類:●空漠
・空谷の跫音(くうこくのきょうおん)[=足音(そくおん・そくいん)] 人もいない寂しい谷に聞こえる足音のことで、孤独を感じている時に同情者を得た喜びの喩え。 出典:「荘子―徐無鬼」
・空前絶後(くうぜんぜつご) 過去にも例がなく、これから後にも起こりそうもないと思われるような非常に稀(まれ)なものごと。 例:「空前絶後の大地震」 類:●言語に絶する
・食うだけなら犬でも食う(くうだけならいぬでもくう) 何もしないでただ食っているだけでは犬と同じで、万物の霊長たる人間の値打ちはない。
・ぐうたら ぐずぐずしていて、働こうという気力がないこと。また、その人。 類:●怠(なま)け者●愚図(ぐず) 用例:人情・春色辰巳園−初「野暮唄妓(やぼげいしゃ)だの弱気(グウタラ)だのと」 参考:「ぐうたら童子」「ぐうたら兵衛」などと、人名に擬して使ったりもする。 ★「ぐう」は「愚(ぐ)」の長音化したもので、「たら」は「弛む(たるむ)」などの基になる「たる」が変化したものである<語源由来辞典>
・空中楼閣(くうちゅうろうかく) 空中に築いた楼閣。 1.根拠のない架空のもの。想像で抽象的に構築したもの。2.蜃気楼(しんきろう)のこと。 類:●空中の楼閣●空中楼台(ろうだい) 出典:夢渓筆談(ぼうけいひつだん・むけいひつだん) 随筆集。北宋。沈括(しんかつ)撰。26巻。1088年以降の成立。水利・灌漑政策や天文観測・改暦事業などについて書かれている。
・遇と不遇とは時なり(ぐうとふぐうとはときなり) 人の運の善し悪しは時勢のいかんに依(よ)るものであるから、今が不遇であっても悲観することなく、また、仮に時を得ても得意にならない方が良いということ。 出典:「荀子−宥坐篇」「孔子曰、〈略〉遇不遇者時也、〈略〉修身端行、以俟其時」
・ぐうの音も出ない(ぐうのねもでない) 詰問されたり、非を指摘された時などに、一言も反論ができないこと。 ★「ぐう」は、苦しいときや苦境に追い込まれたときに発する声の擬音語。 例:「ぐうともすうとも」
・食うや食わず(くうやくわず) 毎日の食事を取ったり取らなかったりするという意味で、やっと生活する貧乏暮らしのこと。また、切り詰めた生活。 例:「食うや食わずで貯めた金」