−また(mata)−
・又しても(またしても) 二度と起こらないだろう・二度とあっては困る、と思ったことが、現実に再び起こること。再び重ねて。 類:●又々 例:「又しても同じ過ちを犯した」
・またぞろ なんともう一度。懲りもせずにもう一度。以前に失敗した経緯などがあるのに、同しような状況を招いたことを、一種の呆れた気持ち・滑稽感を含めて表わす言葉。 類:●性懲りもなく 用例:伎・お染久松色読販−中幕「又候偽りをぬかすのじゃナ」 例:「またぞろ浮気の虫が騒ぎ始める」 ★副詞「また」に「そうろう」がついた「またぞうろう」の変化<国語大辞典(小)> 用例の出典:お染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり) 歌舞伎脚本。世話物。隅田川物。3幕。四世鶴屋南北。文化10年(1813)江戸森田座初演。武家の出で油屋に奉公する久松と、油屋の娘お染が恋仲になる。お染は妊娠するが、他家との嫁入りの話があるため両親は久松を蔵に閉じ込め、お染が外で自害するという大筋。早変わり「お染の七役」で評判を取る。
・瞬く間(またたくま・あいだ)[=うち] 瞬(まばた)きをするほどの、ごく短い間。瞬間。 例:「城を瞬く間に完成させた」
・又とない 同種の物が他に存し得ないこと、類似の事態が再び起こらないことを、ほぼ確実視する気持ちで表わす言葉。 1.二つとない。これ以上のものは他にない。2.二度とない。 例:「こんな機会は又とない」
・又と再び(またとふたたび) 二度と再び。後に打ち消しを伴って、ものごとが二度と起こり得ないということ。 例:「又と再び会うことはないだろう」
・股に掛ける(またにかける) 1.広く各地を歩き回る。 例:「七つの海を股に掛ける」 2.各地を飛び回って活動する。 例:「世界を股に掛けた大泥棒」
・又の世(またのよ) 次の世。来世。 類:●又の生(しょう)
・間怠い(まだるい) 手間取って遅い。また、動作や反応が鈍く感じられて、じれったい。 類:●歯痒い 用例:浄・根元曾我−道行「面影かくす乗物も、急ぐ心にまだるくて」 用例の出典:江戸紫根元曾我(えどむらさきこんげんそが) 浄瑠璃。金井三笑。宝暦11年(1761)。・・・調査中。 参考:兵根元曾我(つわものこんげんそが) 歌舞伎。初代市川團十郎。元禄10年(1697)。5月中村座。曾我(仇討ち)物。成田不動尊の霊験をテーマにした歌舞伎。「不動」。
・間怠っこい(まだるっこい) 「間怠(まだる)い」を強めて言う言葉。じれったい。 類:●まどろこしい 例:「間怠っこくて見ちゃいられない」 ★「まだるこい」の変化<国語大辞典(小)>
・待たるる身になるとも待つ身になるな(またるるみになるともまつみになるな) 人を待つということほど辛く馬鹿げたことはないから、他人を待たせることはしても、他人に待たされるような立場にはならない方が良いということ。 類:●待たれる身より待つ身は辛い 反:■待つ身より待たるる身