−まつ(matu)−
・待つうちが花(はつうちがはな) ものごとは、その結果がどうなるかと予想しならが待っているときが、最も楽しみであるということ。 類:●待つ間が花
・松笠より年嵩(まつかさよりとしかさ) 年長の者は経験が豊富で、判断が的確だということ。「年かさ」と「松かさ」の語呂合わせ。 類:●亀の甲より年の功●烏賊の甲より年の劫
・松が取れる(まつがとれる) 松飾りが外されるという意味で、正月の元日から7日までの松の内が終わったということ。 参考:松の内(まつのうち) 元日から7日までの称。古く上方では正月15日までをいった。
・真っ赤な嘘(まっかなうそ) 明らかに嘘であること。まったくの嘘。 用例:黄・御存商売物−上「まっかなうそをつひてたきつける」 ★「赤」は「明」と同根であり、色ではなく「明らかに」の意味を表わす。「赤の他人」「赤裸(あかはだか)」「赤っ恥(ぱじ)」なども同様に使われる。
・真っ黒になる(まっくろになる) 我を忘れるほどものごとに夢中になる様子。一途(いちず)・直(ひた)向きになる様子。
・睫を濡らす(まつげをぬらす) 騙されないように注意する。 類:●眉に唾を付ける●眉唾
・睫を読まれる(まつげをよまれる) 1.化かされる。騙される。 ★俗に、狐に睫を数えられると狐の魔力に懸かって化かされると信じられていた。 2.睫は自分のものでありながら、自分では数えられないところから、自分では気付かないで、他人に好いようにされる。人に馬鹿にされる。
・抹香臭い(まっこうくさい) 抹香の臭いがする。転じて、言動や雰囲気などがいかにも仏教的な感じがすること。 類:●仏臭い 用例:俳・口真似草−序「陀羅尼よみ、印つくりて抹香くさき法師」 用例の出典:口真似草(くちまねぐさ) 雑俳。明暦2年(1656)。高瀬梅盛撰。・・・詳細調査中。
・末期の水(まつごのみず) 人の臨終の際に、その唇を湿らせる水。 類:●死に水 ★この作法は、本来死者の命が蘇ることを願って行なうものであった。かつては臨終の間際に行なわれるものだったが、現在では息を引き取った後に行なう。
・末席を汚す(まっせきをけがす・ばっせきを〜) 会合に出席したり、集団の仲間に加わったりすることを謙遜して言う言葉。 類:●席末を汚す●席を汚す 例:「記念式典の末席を汚す」
・待った(まった) 1.囲碁や将棋で、自分が不利と見て、相手の手を待って貰(もら)うこと。相撲で立会いのとき、巧く立てず待って貰うこと。また、そのときに発する掛け声。 例:「待ったを掛ける」 2.転じて、進行中の動きを止めること。 例:「決議に待ったが掛かった」
・末大必ず折る(まつだいかならずおる) 枝葉があまり伸び広がると、釣り合いが取れず幹が折れてしまう。下の者が強大になれば、上の者が必ず滅びるということの喩え。 類:●尾大掉わず 出典:「春秋左氏伝−昭公十一年」「末大必折、尾大不掉」
・全くのところ(まったくのところ) 実に。本当に。実際のところ。「全く」は、自分がこれから示す判断や、今相手から聞いた判断が、嘘や誇張を含まない真実であることを表わす。 類:●本当の所●実際の所 例:「全くの所、困り果てた事態になったものだ」
・マッチポンプ(まっちぽんぷ) 俗語、和製語。 1.マッチで火を点けポンプで消火するという意味で、意図的に自分で問題を起しておいて自分で揉み消すこと。また、その人。 類:●自作自演●狂言 ★英matchと蘭pompからの和製語<学研国語大辞典> 2.他人の不正などを暴露して騒ぎ立てながら、陰で収拾工作や揉み消しを図り、相手から報酬として金品を巻き上げること。 ★1966年の政界の不正事件(=黒い霧事件)を機に広まる<広辞苑第四版(岩)>
・待ってました(まってました) 1.来るのを待っていたということ。2.期待して待っていた人や物が現れたことを喜ぶときに発する掛け声。特に、芝居などで役者などが登場したときに褒め言葉として言う。 例:「よっ、待ってました、大統領」
・マットに沈む(まっとにしずむ) レスリングやボクシングでマットに倒れるということから、リング上でノックアウトされること。
・松の言の葉(まつのことのは) 和歌の異称。 出典:古今和歌集−仮名序「松の葉の散りうせずしてまさきの葛長く伝はり」
・真っ平御免(まっぴらごめん) 1.まったく嫌である。拒否したい気持ちが強い様子。 例:「そんな事は真っ平御免だ」 2.相手に許しを請うときに言う言葉。「御免」を強調して言ったもの。 3.江戸時代に、職人や火消し、博打(ばくち)打ちなどが、人を訪ねたときや、人の前を通るときの挨拶として用いた言葉。 用例:当世書生気質「それぢやあ真っ平御免なさい、と上にあがりて」 ★「真っ平」は、「真平(まひら)」からの転で、「平に(=切に・ひたすら)」を強めた言葉。
・松吹く風(まつふくかぜ) 1.松の梢(こずえ)に吹く風。2.転じて、まったく心に掛けない様子の喩え 類:●どこ吹く風
・待つ身より待たるる身(まつみよりまたるるみ) まだ来ないかと人を待つ立場も辛(つら)いものだが、それ以上に、待たせている者の方が申し訳なさに気が揉(も)めて辛いものである。 反:■待たれる身より待つ身は辛い■待たるる身になるとも待つ身になるな
・祭り上げる(まつりあげる) 1.尊いものとして敬(うやま)う。崇(あが)め尊ぶ。 例:「仏像を祭り上げる」 2.ある人を周囲の者が煽(おだ)てるようにしてある地位に就かせる。 類:●祭り込む 例:「会長に祭り上げる」 3.人を煽て上げて偉く思わせる。 例:「先生、先生と言って祭り上げる」
・祭りが閊える(まつりがつかえる) 「閊える」は、滞(とどこお)ること。喧嘩の勢いが削(そ)がれる、喧嘩が途切れることの喩え。
・政を為すは人に在り(まつりごとをなすはひとにあり) 政治を行なう根本は、政治を行なう人物の如何(いかん)によるものである。 出典:「中庸−二十章」「為政在人、取人以身、修身以道、修道以仁」 ★孔子の言葉。