−めい(mei)−
・銘打つ(めいうつ) 1.品物に銘を付ける。銘を刻む。2.転じて、名目を掲げる。看板として掲げて宣伝する。 例:「地球に優しいと銘打った洗剤」
・迷宮入り(めいきゅういり) 犯罪事件などで、真相や犯人がまったく分からず、解決の見込みが立たないこと。 類:●お宮入り
・明鏡止水(めいきょうしすい) 曇りのない鏡と静かな水という意味で、澄み切った静かな心境のこと。疚(やま)しさがない静かな心。 出典@:「荘子−徳充符篇」「人莫鑑於流沫、而鑑於止水者。鑑明則塵垢不止。止則不明也」 出典A:「淮南子−俶真訓」「人莫鑑於流沫、而鑑於止水者、以其静也、莫窺形於生鉄、而窺於明鏡者、以其易也」
・明鏡も裏を照らさず(めいきょうもうらをてらさず) 賢明な人にも、目が届かない所があるということの喩え。 類:●知者も一失
・名実相伴う(めいじつあいともなう) 評判と実際とが一致している。 類:●名実相適(かな)う
・名実共に(めいじつともに) 名声と功績が共に釣り合っている。評判と実際とが一致していること。 類:●名実相伴う 例:「名実共に大作曲家だ」
・名所に見所なし(めいしょにみどころなし) 世間で、景勝の地と言われるところには、これといって見るべきものはないものである。名は必ずしも実(じつ)を伴わないことの喩え。 類:●名物に美味いものなし
・迷津慈航(めいしんじこう) 仏教用語。迷津から悟りの彼岸に渡す慈悲の船という意味で、仏法や仏の慈悲を喩えていう言葉。 類:●無縁の慈悲
・名人は人を謗らず(めいじんはひとをそしらず) 名人と言われる人は、他人の未熟さや短所を一々咎(とが)め立てしたりしない。名人は、自分の力に自信があるから、他人のことは気にしないし、他人の長所を認める余裕すらあるということ。 類:●泰山は土壌を譲らず●大海は芥を択ばず 出典:「俚言集覧」
・明窓浄几(めいそうじょうき) 明るい窓と綺麗に片付けられた机。明るく整然とした書斎を表わす言葉。
・命旦夕に迫る(めいたんせきにせまる) 臨終のときが今夜か明朝かという状態になる。 類:●旦夕に迫る●死が迫る
・明哲保身(めいてつほしん) 1.聡明で道理を弁(わきま)えている人は、危険に陥(おちい)らないようにものごとを処理し、安らかに身を全(まっと)うするということ。 出典:「詩経−大雅・烝民」「既明且哲、以保其身」<既に明且つ哲、以て其の身を保つ> 2.賢明に世に処して、己の地位を守ること。特に、世の中の大勢(たいせい)に逆らわないことを言う。 ★本来悪い意味はなかったが、「保身」を誤解して、自分の身の安全のみを考える小賢(こざか)しい処世術にも言うようになった。
・冥途にも知る人(めいどにもしるひと)[=冥土にも〜] 1.どのような所でも、知己はできるものだ。2.どんな遠い未知の土地に行っても知人に巡り会えるものだ。 類:●地獄にも知る人
・冥途の旅(めいどのたび)[=冥土の〜] 「冥途」は、仏教用語で、死者の霊魂が行き着く世界のこと。死んであの世に行く旅。 類:●死出の旅
・冥途の使い(めいどのつかい)[=冥土の〜] 出掛けたまま、帰ってこないこと。 類:●薩摩飛脚●鉄砲玉 参考:「冥途の飛脚」
・冥途の土産(めいどのみやげ)[=冥土の〜] 死ぬに当たっての楽しい思い出にする。生きているうちには叶えられそうになかった望みが、思い掛けなく叶い、それを冥土への土産として悔いなく死んでいけるという喜びの気持ちを表わす。 類:●黄泉苞(よみづと) 例:「冥土の土産に真相を聞かせてやろう」
・命は天にあり(めいはてんにあり) 運命は天が定めるものであり、人間の力ではどうすることもできない。 ★地口で「牡丹餅は棚にあり」などと続けたりもする。
・名馬に癖あり(めいばにくせあり) 優秀な馬は、何かしら変な癖を持っているものである。人間も同様で、優れた才能の持ち主は一般的な価値観では計れない個性を持っているものである。また、そのくらい強い個性がないと、突出した成功は望めないということ。 類:●名馬に難あり●癖なき馬は行かず
・名物に美味いものなし(めいぶつにうまいものなし) 名は必ずしも実を伴わないということの喩え。 類:●名所に見所なし
・明眸皓歯(めいぼうこうし) 美しく澄み切った眸(ひとみ)と白く整った歯。美人の形容。
・命脈を繋ぐ(めいみゃくをつなぐ)[=保つ] 1.命を保ち、生き長らえる。2.転じて、ものごとが絶えることなく継続している状態の喩え。 例:「血族が細々と命脈を繋いできた」
・冥々の裡(めいめいのうち) 知らず知らずのうち。ものごとが、はっきりとした形になる前の状態。 類:●暗暗裏●冥冥裡(めいめいり)
・明々白々(めいめいはくはく) 「明白」を重ねた言葉で、非常にはっきりしていて、少しも疑わしい点がないこと。 例:「明々白々な事実」
・滅入る(めいる) 1.気勢がなくなり塞(ふさ)ぎ込む。元気なく陰気になる。憂鬱になる。沈む。 類:●落ち込む 用例:中華若木詩抄−上「指たる恩賞にあつからず貧にめいる也」 例:「気が滅入る話」 2.衰える。落ち目になる。減る。 用例:浮・好色盛衰記−二「久しく此里めいりけるが、人は移気にして、又色も狂ば、若やぎて」 3.深く入り込む。減(め)り込む。 用例:浮・武家義理物語−四「見しうちにめいりて、柱もゆがみ壁もこぼれ」 4.酒色などに耽(ふけ)る。嵌(は)まり込む。
・命を革む(めいをあらたむ) 天命が改まる。王朝が変わる。革命が起こる。