−めく(meku)−
・目串が付く(めぐしがつく) 1.見当(けんとう)が付く。2.犯人の目星が付く。
・目串が抜ける(めぐしがぬける) 掛かっていた疑いが晴れる。 用例:伎・三人吉三「悪く口を利きなさると目串は抜けませぬぞ」 用例の出典:三人吉三廓初買(さんにんきちさくるわのはつがい) 歌舞伎脚本。世話物。7幕。河竹黙阿弥。万延元年(1860)江戸市村座初演。和尚吉三・お坊吉三・お嬢吉三と異名をとる三人の盗賊が義兄弟の契りを結ぶのを発端に、百両の金と名刀庚申丸(こうしんまる)の行方をめぐって複雑な因果関係が展開する。作者の代表作の一つ。別名「三人吉三巴白浪」。
・目くじらを立てる(めくじらをたてる)[=立つ] 目を吊り上げる。 1.怒る。むきになる。また、些細なことを取り立てて謗(そし)り罵(ののし)る。 類:●目角に立てる●目角を立てる●目口を立てる ★「目くじら」は、「目くじり」からの変化。 2.他人の欠点を探し出して咎(とが)め立てをする。
・目串を付ける(めぐしをつける) 目当てを付ける。見当を付ける。目を付ける。 類:●目星を付ける●目串を立つ
・目薬ほど(めぐすりほど) 目薬は一滴ずつ使うところから、ごく少量であることの喩え。 用例:洒・田舎談義「さういふ気は目薬ほどもねえよ」 用例の出典:田舎談義(いなかだんぎ) 洒落本。竹塚東子(とうし)。寛政2年(1790)。・・・詳細調査中。
・目糞鼻糞を笑う(めくそはなくそをわらう)
・目口乾かす(めくちかわかず) 良く目が利き、口が回るという意味で、人の粗(あら)探しをし、口煩(うるさ)く言ってやろうと狙っている様子。
・目口開かる(めくちはだかる) 目や口が大きく開く。驚き呆れたときの様子。 用例:今昔−28「奇異(あさまし)く目口はだかりて居たり」
・目配せ(めくばせ)・ 瞬(まばた)きして意志を伝えること。目を動かして合図すること。 用例:浄・国性爺合戦−五「たがひにきっとめくばせ、つっと出て」 ★「めくわせ()」の変化した語<国語大辞典(小)>
・盲蛇に怖じず(めくらへびにおじず)
・盲滅法(めくらめっぽう) 少しも見当を付けないで、出鱈目(でたらめ)に事をすること。 類:●盲滅法界●盲滅相●当たるを幸いに●闇雲 例:「盲滅法走り回る」
・目眩く(めくるめく) 目が眩(くら)む。眩暈(めまい)がする。 類:●めくるべく 用例:古本説話集−六四「めくるめく心地すれば、しばしもみえず」 例:「目眩めく常夏の海」 用例の出典:古本説話集(こほんせつわしゅう) 説話集。平安末期か、遅くとも鎌倉初期には成立したと見られる。前半は世俗説話46話、後半は仏法説話24話を収録。赤染衛門・和泉式部・清少納言などにまつわる和歌説話、霊験譚等70話から成る。昭和18年(1943)発見され、暫定的に「古本説話集」と命名された。