−めに(meni)−
・目に遭う(めにあう)・会う ある体験に遭遇する。主に、辛い苦しい経験をする。 類:●難儀する 例:「散々な目に遭う」
・目に青葉山時鳥初松魚(めにあおばやまほととぎすはつがつお) 初夏の風物詩。初夏の季節感を視覚・聴覚・味覚で捉えた、山口素堂の句。
・目に余る(めにあまる) 1.数が多くあり過ぎて一度に見渡すことができないほどである。 用例:太平記−22「目に余る程の大勢也と聞き」 2.程度が酷(ひど)過ぎて、黙って見ていられないほどである。 類:●人目に余る 例:「目に余る言動」 
・目に一丁字無し(めにいっていじなし)[=丁字(ていじ)無し] まったく文字が読めない。無学文盲である。 類:●一丁字を知らず●一字も無い ★「一丁字」は、一つの文字の意<国語大辞典(小)> ★「丁」は、「個」の簡体字「个」の誤写による。
・目に入れても痛くない(めにいれてもいたくない)[=の中に〜] 可愛くて可愛くて堪らない。溺愛することの喩え。 例:「孫は目に入れても痛くないほど可愛い」
・目に浮かぶ(めにうかぶ) そのときの姿や状況が、現に見ているほどに、目の内に再現される。 例:「故郷の山々が目に浮かぶ」
・目に掛かる(めにかかる) 1.見える。目に止まる。 用例:浮・男色大鑑−1「よろしからぬことばかりに目に掛かりぬ」 2.主に、上に「御」を付けて、目上の人に会う。 例:「またお目に掛かりましょう」
・目に掛ける(めにかける) 1.目に止める。また、目指す。目当てにする。 用例:平家−4「目に掛けたる敵(かたき)を討たずして」 2.見せる。見ていただく。 類:●御覧に入れる 3.贔屓(ひいき)にする。特別に世話をし、面倒を見る。 例:「目を掛けていた弟子」 4.秤(はかり)に掛ける。
・目に角を立てる(めにかどをたてる)[=入れる] 怒った目付きで鋭く見る。 類:●目角(めかど)を立てる
・目に狂いはない(めにくるいはない) ものを見定める眼力に間違いがない。 例:「俺の目に狂いはなかったな」
・目に障る(めにさわる) 1.目にとって毒になる。転じて、見ることによって、気に障る。見ると不愉快になる。2.見ることを妨げる。視界を遮(さえぎ)る。
・目に染みる(めにしみる) 1.目に水や煙などが入って痛く感じる。2.目の奥底まで届くくらいに、姿、形、景色などが鮮やかで印象深く思われる。 例:「目に染みるような青空」 3.見て十分馴染(なじ)む。また、見慣れて古くさく思われる。見飽きる。 用例:浮・傾城禁短気「禿の木綿布子目に染み」
・目に立つ(めにたつ) 注意を引く。目に付く。際立って見える。目立つ。
・目に付く(めにつく) 1.見たものの形や色が、目に焼き付いて離れなくなる。 用例:万葉−19「衣(きぬ)に付くなす目に付く我が背」 2.見て気に入る。3.目に留(と)まる。目立って見える。はっきりと見える。 例:「空席が目に付く」
・目に留まる(めにとまる・とどまる) 1.心が惹(ひ)かれる。注意が引き付けられる。2.注意を惹かれて、それに目を付ける。注目される。 例:「社長の目に留まる」
・目に入る(めにはいる) 1.自然と、目に見える。視野に入る。 類:●目に触れる●目に留まる●目に付く 2.小さいことや可愛らしいことの形容。
・目に鳩が停まる(めにはとがとまる) 眠そうな眼になる。
・目には目、歯には歯(めにはめ、はにはは)
・目に触れる(めにふれる) 見える。存在に気が付く。 類:●目に入る●目に付く
・目に見える(めにみえる) 1.目で見て、明らかにそうだと分かる。 例:「病状が目に見えて回復する」 2.確実である。 例:「失敗が目に見えている」
目にも留まらぬ(めにもとまらぬ) あまりに速くてはっきりと見定めることができない。非常に速いこと。 例:「目にも留まらぬ剛速球」
・目に物言わす(めにものいわす) 目使いで相手にこちらの意図を伝える。 用例:平凡「阿母さんが目に物言わせて、了解(のみこ)ませて」 類:●目に言わせる 用例の出展:平凡(へいぼん) 小説。二葉亭四迷。6冊。明治40年(1907)東京朝日新聞に連載。中年の小役人古屋が自らの人生を回想し、その人生観・文学観を告白記風に展開させる。特に、自然主義小説を揶揄するような文学への疑惑が述べられ、ニヒリズムが滲(にじ)んだ作品。
・目に物見せる(めにものみせる)[=物を〜] 1.その状態を見せる。2.はっきり分からせる。特に、酷(ひど)い目に遭わせて、思い知らせる。ぎゃふんと言わせる。 例:「目に物見せてやる」