−みき(miki)−
・右腕(みぎうで) 1.右の腕。2.ある人が最も信頼している有能な部下。 類:●懐刀 例:「社長の右腕」
・右肩上がり(みぎかたあがり) 1.文字の右側が吊り上ったように書いてあること。 類:●右上がり 2.グラフの線が右側ほど上がっていることから、後になるほど数値が大きくなること。また、一般に、段々良くなること。 類:●右上がり 例:「業績は右肩上がり」 ★2.は、バブル期(昭和62年1987〜同65年1990)の経済指数グラフなどについて言われ、その後、広義に使われるようになった。
・右から左(みぎからひだり) 1.受け取ったものをすぐ他の人に渡して、手元に留めておかないこと。特に、受け取った金銭を、すぐ別の支払いに充(あ)てること。 例:「給料が右から左に消えてゆく」 2.即座に用意できること。直ちに融通が利くこと。 類:●おいそれと 例:「そんな大金、右から左という訳にはいかない」
右と言えば左(みぎといえばひだり) 他人の言うことに対し、殊更に反対すること。 類:●ああ言えばこう言う
・右とも左とも〜ない(みぎともひだりとも〜ない) 左右のどちらともはっきりしない様子。断定し兼ねる様子。
・右に同じ(みぎにおなじ) 1.縦書きの文書で、前に述べたことと同じである。  類:●同右(どうみぎ)●(横書きで)同上 2.会話で、直前に述べた人と同意見である場合にも言う。 ★並び順が左の人に同意する場合でも、慣用的に、「左に同じ」とは言わない。
・右に出る(みぎにでる) 優れている。凌駕(りょうが)する。上位に位置する。 例:「彼の右に出る者はいない」 出典:「漢書−高帝紀・下」「漢廷臣無能出其右者」 ★中国の戦国時代、右側を上位として尊んでいたことによる。別の時代には、左を上位としていた時代も多い。日本の官職では、左側を上位としていた唐に倣(なら)い、大化(645年)以来長い間左を上位としていた。例:「左大臣」>「右大臣」。
・右も左も分からない(みぎもひだりもわからない) 1.その土地の地理に詳しくない。 類:●無案内 例:「昨日引っ越してきたばかりで右も左も分からない」 2.理解・判断する能力がない。未熟なため、または世間知らずで、なすべきことが何であるかの判断が付かない。 類:●西も東も分からない 例:「右も左も分からない駆け出しの小僧じゃあるまいし」
・見切りを付ける(みきりをつける) このままの状態をいつまでも続けることとができず、見限る。駄目だと判断して諦(あきら)める。見捨てる。 類:●見限る●見極める
・見切り発車(みきりはっしゃ) 1.列車やバスなどが、満員だとして乗客を残して発車すること。2.道路交通で、信号が青になる頃合いを見計らって、早めに車を発信させる行為。3.比喩的に、論議が十分になされないうちにものごとを決定してしまうこと。また、それを実行に移すこと。 例:「決済が下りないうちに見切り発車する」
・汀優る(みぎわまさる) 汀の水が増すという意味から、涙がたくさん流れること。 用例:源氏−須磨「来し方行く先かきくらし、みぎはまさりて」
・見極める(みきわめる) 1.最後まで見届ける。確認する。突き止める。 例:「ことの成り行きを見極める」 2.ものごとの奥底までを知り尽くす。良否や真偽などを知る。真贋を鑑定する。 例:「事実を見極めた上で返答する」 3.見切りを付ける。あれこれ迷わないで一つのものに決める。 用例:談・風流志道軒伝−三「目のうつろひならんと、後には却ってそこそこに見極る」