−みみ(を)(mimiwo)−
・耳を洗う(みみをあらう) 世俗の、汚れたことを聞いた耳を洗い清める。世俗の栄達にとらわれず、高潔でいることの喩え。 類:●耳を滌ぐ
・耳を疑う(みみをうたがう) 聞いたことが信じられない。聞き違いではないかと驚く。
・耳を掩うて鐘を盗む(みみをおおうてかねをぬすむ)
・耳を貸す(みみをかす) 相手の話を聞く。また、相手の相談に乗ってやる。 例:「何度注意しても耳を貸さない」
・耳を傾ける(みみをかたむける・かたぶける) 熱心にじっと聞く。傾聴する。
・耳を聞く(みみをきく) 話を耳にする。噂(うわさ)や評判が耳に入る。 用例:枕草子−319「人なみなみなるべき耳をも聞くべきものかはと思ひしに」
・耳を信じて目を疑う(みみをしんじてめをうたがう) 人から聞いたことは信じるが、自分で実際に見たものを信じない。遠くのことをありがたがって、近くのことを軽んじる。 反:■百聞は一見に如かず 用例:平家−3「凡そ耳を信じて目を疑うは、俗の常の弊なり」
・耳を滌ぐ(みみをすすぐ) 世俗の栄達に囚(とら)われず、高潔でいることの喩え。 類:●耳を洗う 故事:「史記−伯夷伝」・「史記正義」中の「皇甫謐高士伝」 許由(きょゆう)が潁水で耳を洗っているのを見て、やはり尭帝から天下を譲ろうと言われた高士の巣父(そうほ)は、そのような汚れた水を牛に飲ませることはできないとして、牛を引いて帰っていった。
・耳を澄ます(みみをすます)[=欹(そばだ)てる・そばめる] 聞こうとして注意を集中する。注意して聞く。 類:●聞き耳を立てる●耳を傾ける
・耳を揃える(みみをそろえる) 大判、小判の縁(へり)を揃えるという意味から、金額を不足なく整える。 例:「耳を揃えて払って貰う」
・耳を立てる(みみをたてる) 注意して聞き取ろうとする。 類:●耳を澄ます●耳を欹てる
・耳を潰す(みみをつぶす) 聞いても聞かない振りをする。知っていても知らない振りをする。 類:●素知らぬ顔をする●しらばくれる●聞き耳潰す●空耳を潰す
・耳を塞ぐ(みみをふさぐ) 聞こえないようにする。また、強いて聞かないようにする。 例:「耳を塞ぎたくなる音楽」