−みに(mini)−
・身に合う(みにあう) 身分や地位が釣り合っている、その人に相応(ふさわ)しい。
・身に余る(みにあまる)[=過ぎる] 1.分不相応である。過分である。 例:「身に余る光栄であります」 2.自分の身には耐えられない。自分の力量では、処理し切れない。 例:「身に余る大役」
・身に漆し炭を呑む(みにうるししすみをのむ) 復讐(ふくしゅう)の為に、色々と苦労すること。 類:●漆身呑炭(しっしんどんたん) 故事:「史記−刺客列伝・豫譲」「豫讓又漆身爲癩、呑炭爲唖」 豫譲(よじょう)は身体に漆を塗(ぬ)って癩病(らいびょう)を装(よそお)い、炭を呑んで唖(おし)となって、主君智伯(ちはく)の敵(かたき)超襄子(ちょうじょうし)を討(う)とうとした。二度捕まり、寛大な処置を受けたが討てないと悟ると、譲り受けた襄子の衣に三たび躍り上がって斬り付けてから自殺した。 参考:知己(ちき)
・身に覚えがある(みにおぼえがある) 自分自身に思い当たることがある。顧(かえり)みて、確かに経験した覚えがある。
・身に染みる(みにしみる)[=沁みる] 1.骨身に沁み通る。しみじみと感じ入る。深く、または痛切に感じる。 類:●身に入(い)る 用例:源氏−若紫「うち誦(ず)し給へるを、身にしみてわかき人々おもへり」 例:「親切が身に沁みる」 2.寒気や冷気が身に強く感じられる。特に、秋の冷気が痛切に感じられる。 用例:俳・椎の葉「物ごとの身にしむ風やをなご笹」 ★俳句では「身に入(し)む」と書く<大辞林(三)> 3.深く心に思い込む。心から打ち込む。 用例:浄・薩摩歌−中「身にしまぬ一時恋(いっときこひ)」 用例の出典:椎の葉(しいのは) 雑俳。椎本才麿(しいもとさいまろ)著。元禄5年(1692)。須磨・明石・姫路などを旅行したときの紀行俳文と、姫路の俳諧作者との連句や発句を収集。
・身に付く(みにつく) 1.飲食物が自分の血肉となる。栄養になる。2.自分のものになる。自分のものとして保持しておく。 例:「悪銭身に付かず」 3.知識・技術・習慣などを、自分のものとして自由に使いこなせる。熟練する。 例:「技が身に付く」 4.服装・態度などがしっくりと調和している。似合う。 例:「身に付いた着こなし」
・身に付ける(みにつける)・着ける 1.携帯する。所持する。着たり、履(は)いたりする。 例:「真珠のピアスを身に着ける」 2.技術や知識などを習い覚える。 例:「教養を身に付ける」
・身につまされる(みにつまされる) 他人の不幸などが、気の毒に思われる。他人の不幸せなどが、人事でなく思われる。 類:●身に当たる
・身になる(みになる) 1.その身に成り代わる。その人になりきる。 例:「親の身にもなれ」 ★和歌では多く草木の実をかけていう<国語大辞典(小)> 2.親身(しんみ)になる。味方になる。真心を込める。 ★和歌では多く草木の実をかけていう<国語大辞典(小)> 3.その人のためになる。栄養になる。からだの血や肉になる。 例:「身になるものを食べなさい」