−みさ(misa)−
・操作る(みさおつくる) いつもと変わらない様子をする。何気ない様子を装(よそお)う。素知らぬ顔をする。また、体裁(ていさい)を保つ。 用例:源氏−帚木「上はつれなくみさをつくり」
・操を立てる(みさおをたてる) 1.節操を守って志(こころざし)を変えない。2.婦女子が貞操を守り通す。貞操を守り通す。
・操を破る(みさおをやぶる) 1.節操を曲げる。2.婦女子が貞操を汚す。
・見下げ果てる(みさげはてる) この上もなく軽蔑(けいべつ)するに値する。 例:「見下げ果てた根性だ」
・見下げる(みさげる) 軽蔑する。見下(くだ)す。 類:●見下ろす●見下す 反:■見上げる
・見猿聞か猿言わ猿(みざるきかざるいわざる) 1.「三猿(さんえん)」のこと。 参考:三猿 2.自分に都合の悪いものなどは、見ない、聞かない、言わないということを表わす。他人の欠点や過(あやま)ち、或いは、自分自身の失態などについて用いる。 類:●猿を決め込む●知らぬ存ぜぬ 例:「任期もあと一年だし、ここは見猿聞か猿言わ猿で行こう」 由来:三猿は古代インドで生まれ、東南アジア・中国に広まり、やがて鎌倉時代以降に日本に入った。庚申塔に三猿を刻むようになったのは承応年間(1652−55)から。定着したのは万治(1658−61)あたりからで、それまでは二猿と三猿が混在していたとらしい。 参考:庚申信仰(こうしんしんこう) 中国の道教における「守庚申(庚申の夜に眠ると、三尸(さんし)の虫が体内からぬけ出してその人の罪科を天帝に告げ口するという信仰から、その夜は潔斎して眠らず三尸の昇天をはばむ)」の行事がわが国に伝わり、それに仏教と神道とが混交して独特の民俗的祭事になったという<国語大辞典(小)>