−みす(か)(misu2)−
・水が開く(みずがあく) 1.水泳競技などで、一身長以上の差が付く。2.競争相手と明らかに差が付く。
・水掛け論(みずかけろん) 双方が互いに自分の立場、主張を固執して言い張って、果てしなく争うこと。双方とも互いの理屈を繰り返し、解決しない議論。水掛け合い。 例:「水掛け論に終わる」 ★狂言「水掛聟」に見られるような、互いに自分の田に水を引こうとする争いからとも、「水掛け合い」のような議論の意からともいう<国語大辞典(小)> 用例に出典:水掛聟(みずかけむこ) 狂言。各流。隣り合った田を持つ舅(しゅうと)と聟が、水争いを始める。そこへ舅の娘がやってきて、夫婦して舅を引き倒す。「水引聟」「水論聟」とも。
・水が染む(みずがしむ) その土地の気風が身に付く。いかにもその土地の人間らしい様子である。
・身過ぎは草の種(みすぎはくさのたね)[=八百八品(はっぴゃくやしな)] 生計を営(いとな)む手段は、草の種の数ほどに多く、色々ある。 類:●身過ぎ世過ぎは草の種
・水清ければ魚住まず(みずきよければうおすまず)・大魚無し 水が綺麗過ぎると、却(かえ)って魚は棲まないものだ。あまりに清廉過ぎたりすると、却って、人から親しまれないことの喩え。 類:●人至って賢ければ友なし●清水に魚棲まず●石上五穀を生ぜず 出典:「文選−東方朔・答客難」「水至清則無魚、人至察則無徒」
・水際作戦(みずぎわさくせん) 海から上陸する間際に敵を取り押さえて、陸に上げないこと。特に、病原菌などが入り込むのを防ぐことに使う。
・水際立つ(みずぎわだつ) 鮮(あざ)やかに際立つ。他と比べて一際(ひときわ)目立つ。 用例:俳・毛吹草−五「若水の水きは立や花の春」 例:「水際立った美貌」
・水括る(みずくくる) 水を絞り染めにする。川面(かわも)を布に見立てて言った表現。 用例:古今−二九四「から紅に水くくるとは」
・水臭い(みずくさい) 1.水分が多くて味が薄い。薄味で不味(まず)い。水っぽい。 用例:米沢本沙石集−六・一二「日来はちと水くさき酒にてこそ候しに」 2.塩味が薄い。 ★主に、関西での言い方<大辞林(三)> 3.情愛が薄い。余所余所(よそよそ)しい態度である。 類:●他人行儀 用例:浮・傾城禁短気−五「あんなみづくさい事言はしゃらふと」 ★宴会で返杯するとき杯を洗う「杯洗(はいせん)」をするような、他人行儀な間柄であるということからか、という。酒が薄味になるということか。
・水心あれば魚心(みずごころあればうおごころ) そちらが自分に好意を示すのなら、こちらも好意を以って応対する用意がある。 類:●魚心あれば水心 ★「魚心あれば水心」を逆に言ったもので、意味は同じ。