−みを2(miwo2)−
・身を沈める(みをしずめる) 1.水中に身を投げる。身投げする。入水(じゅすい)する。2.失意の境遇に身を置く。零落(おちぶ)れた境遇になる。 類:●身を落とす 3.身売りして、芸者・娼婦などになる。 例:「苦界(くがい)に身を沈める」
・身を持する(みをじする) 厳しい生活態度を持ち続ける。
・身を忍ぶ(みをしのぶ) 人目に付かないように物陰に隠れたりして、こっそり行動する。
・身を絞る(みをしぼる) 心身の全てを出し切る。力の限りを尽くしてものごとに当たる。
・身を知る雨(みをしるあめ)[=袖(そで)の村雨(むらさめ)] 自分の身の上の幸、不幸を思い知らせようにして降る雨。多く、「涙」に掛けて使う。 出典:「伊勢−一〇七」「数々に思ひ思はず問ひがたみ身をしる雨は降りぞまされる」
・身を過ぐ(みをすぐ) 生計を立てて、世の中で暮らしていく。
・身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ(みをすててこそうかぶせもあれ) 命を捨てる覚悟ができれば急流でも身体が浮かぶものだという意味で、一身を犠牲にする覚悟があって初めて、活路を見出し、ものごとを成し遂げることが出来る。 出典:「空也上人絵詞伝」「山川の末に流るる橡殻も 身を捨ててこそ浮かむ瀬もあれ」 出典:空也上人絵詞伝(くうやしょうにんえことばでん) 尊証親王ら著。海北友雪画。天明2年(1782)。3巻3冊。・・・詳細調査中。
・身を捨てる(みをすてる) 1.一身を投げ出して顧(かえり)みない。一身を犠牲にする。命を捨てる。 類:●身を失う 2.世を逃れる。出家する。
・身を立てる(みをたてる) 1.立身出世する。 類:●身を起こす 2.〜を生活の手段とする。〜で生活を立てる。 例:「学問で身を立てる」 3.自分の身の潔白の証(あかし)を立てる。
・身を尽くす(みをつくす) 心身の限りを尽くす。真心を尽くす。一身を捧げる。生命を掛ける。 用例:後撰−恋五「わびぬれば今はた同じ難波なる身を尽くしても逢はむとぞ思ふ」
★和歌では、多く「澪標(みおつくし)」にかけて用いる<国語大辞典(小)>
・身を抓む(みをつむ) 自分の身の苦痛に引き比べて他人に同情する。自分の身に思い比べて他人の身を思い遣る。
・身を挺する(みをていする) 1.身体(からだ)だけで、やっと抜け出す。 出典:「漢書−劉屈ボウ伝」「挺身逃」 2.人に先んじて進む。3.自分から進んで差し出す。自分の身を犠牲にして投げ出す。我が身を顧(かえり)みずに事に当たる。 例:「身を挺して国難に当たる」 ★「挺する」は、「真っ直ぐ前進して列の前へ抜け出る」という意味。
・身を投じる(みをとうじる)[=投ずる] 1.身を置く。2.ものごとに打ち込む。熱中する。 例:「革命運動に身を投じる」
・身を投げる(みをなげる) 1.身投げをする。投身する。入水(じゅすい)する。 例:「屋上から身を投げる」 2.身体を投げ打つようにして速く走る。転がるように走る。3.我が身を顧(かえり)みず、ものごとに熱中する。心を打ち込む。 類:●身を捨てる 用例:源氏−若菜上「鞠に身をなぐる若君だちの」
・身を填む(みをはむ) 身を打ち込む。満身の愛などを注ぐ。
・身を退く(みをひく)[=引く] 1.身を後方に移す。後ろに退(しりぞ)く。 類:●体を引く 2.これまでしてきたことと関係を断つ。遠慮して関わらないようにする。地位・立場から退く。 例:「政界から身を退く」
・身を任す(みをまかす)[=任せる] 1.相手の思い通りになる。2.肉体を委(ゆだ)ねる。特に、女性が身体を許すこと。
・実を結ぶ(みをむすぶ) 1.実が生(な)る。比喩的に、子供ができることも指して言う。2.努力しただけの十分な成果が現われる。成功する。成就する。 例:「日頃の苦労が実を結ぶ」
・身を持ち崩す(みをもちくずす)[=持ち下げる] 身持ちを悪くする。品行が悪く、だらしない生活をする。 類:●ふしだら
・身を以て(みをもって) 1.直接、自分の身体で。一身を投げうって。 類:●自分自身で●自(みずか)ら 例:「身を以て手本を示す」 2.危く。辛うじて。やっとのことで。 例:「身を以て難をのがれる」
・身を燃やす(みをもやす) 激しく思いつめて悩む。 類:●身を焦がす
・身を窶す(みをやつす) 1.痩せてしまうほどものごとに熱中する。または、思い悩む。 類:●身を砕く 例:「恋に身を窶す」 2.見窄(すぼ)らしい姿に身を変える。目立たないように姿を変える。 例:「旅の僧に身を窶す」
・身を寄せる(みをよせる) ある人の家に住み込んで世話になる。 類:●寄寓する 例:「知人宅に身を寄せる」
・身を分く(みをわく) 1.一つの身を二つに分ける。2.人の身体を分けて中へ入る。