−もろ(moro)−
・諸白髪(もろしらが) 1.夫婦共に白髪になるまで長生きすること。 類:●共白髪 用例:咄・醒睡笑「夫婦諸白髪まで添ひたりし」 2.すっかり白髪になること。 類:●総白髪 用例:謡曲・融「秋は半ば身はすでに、老い重なりて諸白髪」 用例の出典:融(とおる) 能楽の曲名。五番目物。各流。世阿弥。古名「塩竈」。融は、源融(みなもとのとおる)。旅僧が京都六条河原の院で休んでいると、老人が来てこの所の潮汲みだと名乗り、ここは嵯峨天皇の時代に融の大臣(おとど)が陸奥の千賀の塩竈に模して作った庭の跡だと語る。そして、月に照らされた景色を賞し、融の大臣のことなどを語り姿を消す。その夜、僧の夢に融が現れ、明月の下で遊楽の舞を舞う。
・諸手を挙げて(もろてをあげて) 無条件に、または、心から、それを受け入れ迎える意向である。 例:「諸手を挙げて賛成する」
・諸に(もろに) まともに。完全に。 例:「台風の影響をもろに受ける」
・諸肌を脱ぐ(もろはだをぬぐ) 1.左右両方の肩を着物から脱いで、上半身を現わす。2.全力を尽くし、事に当たる。
・諸刃の剣(もろはのつるぎ)[=刃(やいば)] 1.両刃の剣は自分を傷付ける危険があるところから、相手に打撃を与えはするがこちらも相応の打撃を被(こうむ)る恐れがあることの喩え。 類:●両刃の剣 2.役に立つと同時に、使い方によっては危険を招(まね)き兼ねないものの喩え。 例:「技術の進歩は諸刃の剣だ」