−もす(mosu)−
・百舌の草潜(もずのくさぐき・かやぐき) 1.百舌(もず)が春になると山に移り人里近く姿を見せなくなることを、昔の人が、草の中に潜(もぐ)り隠れたと思って言った言葉。 用例:古今六帖−6「春されば百舌の草潜見えずとも」  2.百舌の速贄のこと。 用例の出典:古今和歌六帖(こきんわかろくじょう) 平安中期の私撰集。6巻。編者、成立年代とも未詳。「後撰集」と「拾遺集」の間に成立か。「万葉集」「古今集」「後撰集」など、古来の歌4,500首ばかりを、歳時、天象、地儀、人事、動植物など25項517題に分類したもの。作歌の手引、古歌考証の資料として利用された。『古今六帖』とも。
・百舌の速贄(もずのはやにえ)[=生贄(いけにえ)・贄(にえ)] 百舌(もず)が虫や蛙などを捕らえて、これを餌(えさ)にするために、木の枝などに刺しておくこと。また、その虫など。 類:●百舌の草潜●百舌磔(もずはりつけ) ★他の鳥の餌になるのを、供物と見立てた語<大辞林(三)>
・百舌勘定(もずかんじょう) 勘定のとき、人にばかり金を出させて自分は少しも出さないこと。 昔話:鳩と鴫(しぎ)と百舌が集まって15文の買い食いをしたが、鳩に8文、鴫に7文出させて、百舌は1文も出さなかった。