−むね(を)(munewo)−
・胸を痛める(むねをいためる) 心を悩ませる。酷(ひど)く心配する。
・胸を打つ(むねをうつ) 1.悲しみや嘆きや無念さから自分の胸を叩く。自分の胸を叩いて嘆き悲しむ気持ちを表現する。 用例:万葉−904「足すり叫び伏し仰ぎ武禰宇知(ムネウチ)嘆き」 2.吃驚(びっくり)する。はっとする。3.感嘆する。感動させられる。 類:●心を打つ 例:「胸を打つ楽曲」
・胸を躍らす(むねをおどらす)[=躍らせる] 喜びや期待で胸をわくわくさせる。また、不安などでどきどきする。 類:●胸をときめかす●胸が高鳴る
・胸を貸す(むねをかす) 相撲で、上位の者が下位の者の稽古の相手をしてやる。一般に、実力上位の者が下位の者の相手をしてやる。 ★相撲以外にも使う。
・胸を借りる(むねをかりる) 相撲で、下位の者が上位の者に稽古の相手を請う。一般に、実力下位の者が上位の者に相手をして貰う。 ★相撲以外にも使う。
・胸を焦がす(むねをこがす)[=焼く] 酷く思い煩(わずら)う。思い焦がれる。
・胸を叩く(むねをたたく) 相手の依頼を快諾したときの動作。自信を持って引き受けたときの動作。 例:「俺に任せろと言って胸を叩いた」
・胸を突く(むねをつく) 1.急の事態に驚いてどきっとする。はっとする。 類:●と胸を突く 2.色々な思いが胸を一杯にする。心配の思いが急に募る。気掛かりになる。 3.坂や山道などの勾配が急である。 参照:胸突き八丁
・胸を撫で下ろす(むねをなでおろす) 1.気持ちを押し鎮(しず)める。2.心配事が解消して、ほっとする。安堵(あんど)・安心する。 類:●胸の痞えが下りる
・胸を張る(むねをはる) 1.胸を反(そ)らせる。姿勢を正す。 例:「胸を張れ」 2.自信がある素振(そぶ)りをする。また、誇らしげな態度を取る。 例:「胸を張って故郷へ帰る」
・胸を冷やす(むねをひやす) 恐さや危険を感じてぞっとする。 類:●肝を冷やす
・胸を弾ませる(むねをはずませる) 喜びや興奮で、胸をわくわくさせる。心が時めく。 類:●胸を躍らせる
・胸を開く(むねをひらく) 隠し立てをしないで、心の中に思っていることをすっかり話す。 類:●胸襟を開く
・胸を膨らます(むねをふくらます) 期待や喜びなどが心の中に満ち溢(あふ)れる。 例:「希望に胸を膨らます」
・胸を病む(むねをやむ) 胸の病気を患(わずら)う。特に、肺結核を患うことを指す。
・胸を割る(むねをわる) 心の中を隠さず打ち明ける。 類:●胸襟を開く 例:「彼と胸を割って話してくる」