−むた(muta)−
・無駄足(むだあし) 歩いたことが無益に終わること。足を運んで、出向いた甲斐がないこと。 類:●空(から)を踏む 例:「無駄足を踏む」
・無体(むたい) 1.蔑(ないがし)ろにすること。無視すること。軽蔑すること。 用例:源平盛衰記−二四「人の世にある、誰か仏法を無代にし逆罪を相招く」 2.甲斐がないこと。無駄にすること。 用例:源平盛衰記−二六「起請に恐れば、日頃の本意無代(ムダイ)なるべし」 3.無理なこと。無法なこと。道理に合わないこと。 用例:平家−四「よもその物、無台にとらへからめられはせじ」 例:「ご無体な要求」 4.取り分け甚だしい様子。無闇。また、副詞的に用いられて、少しも。全然。 用例:洒・青楼日記「紅色(をらんだ)もじの素読をするやうでむてへよめねへのがございやす」 5.まったくできないこと。 用例:滑・八笑人−初「少しまじめな事は無体(ムテヘ)なもんだぜ」 6.形を成さないこと。体系的でないこと。 用例:至花道「はしばしの物まねをのみたしなむ事、無躰(ムタイ)枝葉の稽古なるべし」 7.仏教用語。実体がないこと。実在しないもの。無。 ★古くは「むだい」とも。「無代(ないがしろ)」の音読という<国語大辞典(小)> 用例の出典@:青楼日記(せいろうにっき) 洒落本。白陽東魚。享和2年(1802)。・・・詳細調査中。 用例の出典A:至花道(しかどう) 室町中期の能楽論。1冊。世阿弥。応永27年(1420)成立。「花」に至る道を説いた稽古論。二曲(舞、歌、舞楽)三体(老体、女体、軍体)などについて触れ、能の本質、構造を説く。
・無駄口を叩く(むだぐちをたたく)[=利く] 無益なお喋りをする。
・無駄花(むだばな) 1.咲いても実を結ばない花。 類:●徒花(あだばな)2.雌雄異花の植物の雄花のこと。
・無駄骨を折る(むだぼねをおる) 苦労したことが何の役にも立たないこと。 類:●徒労に終わる●画餅に帰す ★「無駄骨折(むだぼねおり)」の略<国語大辞典(小)>
・無駄飯食らい(むだめしぐらい)[=食(ぐ)い] なんの役にも立たない者。無駄に日を送っている者。
・無駄飯を食う(むだめしをくう) 碌(ろく)に役にも立たないで無駄に日を送っている様子。