−なか(naka)−
・名がある(ながある)・名のある 有名である。名声が高い。 例:「さぞ名のある方のお作なのでしょう」
・長居は恐れ(ながいはおそれ) 1.人を訪問して長居をするのは失礼になるだけでなく、相手に迷惑を掛けることにもなるので適当に帰るようにすべきである。長居を戒めた言葉。 類:●長居は無用 用例:浮・世間胸算用−三「長居はおそれありといふて手ぶりで帰りける」 2.一つ所に長く居ると禍(わざわい)を招き、碌なことはない。職位などについても言う。 類:●長居する鷺は蟇目に逢う
・長い目で見る(ながいめでみる) 事柄を、現状だけで判断しないで、気を長くして将来を見守る。
・長い物には巻かれろ(ながいものにはまかれろ)
・名が朽ちる(ながくちる)[=廃(すた)る] 名声が廃(すた)れる。評判が落ちる。 用例:源氏−末摘花「名の朽ちなむはさすがなり」
・長口上は欠伸の種(ながこうじょうはあくびのたね) 祝辞や弔辞などでは、話し下手(べた)ほど長々と喋って嫌がられるものである。話の内容を相手にしっかり聞いてもらうには、簡潔に述べるのが良いということ。
・泣かされる(なかされる) 1.酷(ひど)い目に遭う。困らされる。 例:「週末は雨に泣かされた」 2.涙が出るほど感動させられる。また、同情させられる。 例:「彼の伝記には泣かされた」 ★「れる」は受身の助動詞<国語大辞典(小)>
・名が廃る(ながすたる)[=朽(く)ちる] 名声に傷が付く。評判が落ちる。 類:●名折れ
・鳴かず飛ばず(なかずとばず) 1.長い間鳴きも飛びもしないでじっとしているということから、将来の活躍を期して長い間機会を待っている状態。 故事@:「史記−楚世家」 春秋時代、楚の荘王(そうおう)は、即位してから「諫(いさ)める者は死刑に処す」という法令を出し、喪中の3年の間(足掛け3年=25ヶ月)酒色に耽(ふけ)った。伍挙(ごきょ)という者が「阜(おか)の上に鳥が居り、3年の間鳴きも飛びもしません」と謎を掛けると、「ひとたび飛べば天を衝(つ)き、ひとたび鳴けば人を脅(おびや)かすであろう」と答えた。そして、喪が明けたとき、その言葉の通り大幅な家臣の粛清(しゅくせい)を行なった。 故事A:「史記−滑稽列伝」 戦国時代、斉の威王が酒色に溺れ国政を省(かえり)みなかった時、家臣の淳于(じゅんう)が鳴きも飛びもしない大鳥に例えて斉の威王を諫めた。 類:●三年鳴かず飛ばず 2.現在では、長い間何の活躍もしないでいることを自嘲的に、または軽蔑していうことが多い。 出典:「呂氏春秋−重言」や「史記−滑稽列伝・淳于」」など 「三年不蜚、又不鳴」 人物:荘王(そうおう)(楚) 中国の春秋時代の楚の王(在位前614〜前591年)。姓は熊、名は旅(侶)。穆王(商臣)の子。春秋五覇の一人。?〜前591。紀元前597年、晋の景公の軍を破り中原の覇者となった。周の使者に鼎(かなえ)の軽重を問うた逸話や、「三年鳴かず飛ばず」の故事は有名。
・泣かせる(なかせる) 1.人が泣くような仕打ちをする。苦しませる。困らせる。嘆(なげ)かせる。 例:「親を泣かせる」 2.泣きたくなるほどの感動を与える。感極(きわ)まらせる。 用例:風姿花伝−二「かやうなる手柄にて、人をなかする所あらば」 例:「泣かせる話じゃないか」 ★動詞「なく(泣)」に使役の助動詞「せる」の付いてできたもの<国語大辞典(小)>
・仲違う(なかたがう) 「仲」は人間の関係のこと。喧嘩する、間柄が悪くなること。
・名が立つ(ながたつ) 世間の評判になる。 類:●浮名(うきな)が立つ●浮名を流す
・長町場(ながちょうば)・長丁場 1.宿場(しゅくば)と宿場との間の道のりが、距離的、時間的に長いこと。また、長い道のり。 用例:膝栗毛−発端「芸州宮嶋までの長丁場」 2.仕事などが長く掛かること。また、時間を長く要するものごと。 例:「この事件は長丁場になる」 3.歌舞伎で、時間がやたらに長く掛かる場のこと。
・長っ尻(ながっちり) 人を訪ねて、長時間座り込んで、なかなか帰らないこと。長い間、同じところにいること。また、その人。 類:●長座●長居●尻が長い ★「長尻」からの変化。
・名が通る(ながとおる) 世間一般にその名が広く知れ渡っているという意味で、有名であること。 例:「裏の世界では名が通っている」
・名が流れる(ながながれる) 名前が流布(るふ)する。評判が世間に広がる。
・中々でもない(なかなかでもない) 肯定できない。程度が予期を遥かに上回り、意外なほどである。 類:●途方もない●思いも寄らない●とんでもない
・中に立つ(なかにたつ)[=へ立つ] 主に仲違(なかたが)いしている、両者の間に立って便宜(べんぎ)を図(はか)る。 類:●仲立ちをする
・中に就いて(なかについて)[=就きて] 多くの中で特に。
・中に入る(なかにはいる)[=へ入る] 争っている双方の間に入る。 類:●仲裁する
・鳴かぬ蛍が身を焦がす(なかぬほたるがみをこがす) 喧(やかま)しいくらい鳴いて求愛している蝉(せみ)よりも、鳴かない蛍は、その分光ることで想いを表現し、まるで我が身を焦がしているようだという意味。口に出して何も言わぬ者の方が、心の中では激しい思いを抱いているということの喩え。 出典:俗謡(ぞくよう)の「鳴く蝉よりもなかなかに鳴かぬ蛍が身を焦がす」からとも、都々逸(どどいつ)の「恋に焦がれて(=あなた恋しと)鳴く蝉よりも鳴かぬ蛍が身を焦がす」からとも言う。 ★ままならぬ恋について歌ったもの。
・中の思い(なかのおもい) 心の中に秘めている、燃えるような恋の思いのこと。 ★「思ひ」の「ひ」に火を掛ける。また、和歌では、石は打てば火を発するところから、中に火を含むものとして、多く「石」に寄せていう<国語大辞典(小)>
・長の別れ(ながのわかれ)・永の〜 1.再び会うことのない別れ。2.死に別れ。
・長持枕にならず(ながもちまくらにならず) 大は小を兼ねると言うが、そうはいかないものもあるということ。
・仲よき事は美しき哉(なかよきことはうつくしきかな) 人と人が仲良くしている様子は、実に美しいものである。 ★武者小路実篤(むしゃのこうじさねあつ)が野菜や花などを描いた絵や色紙(しきし)に書き添えた「讃(さん)」の1つ。
・仲好し小好し(なかよしこよし) 「仲好し」に「小好し」を付けて調子良く言った言葉。 ★幼児の語<国語大辞典(小)>
・流れに掉差す(ながれにさおさす) 流れに棹を差して下るように、好都合なことが重なり、ものごとが思いのままに進む。 類:●順風に帆を揚げる●順風満帆●とんとん拍子
・流れの杯(ながれのさかずき) 主人や貴人など目上の人から、杯に飲み残した酒をいただくこと。「お流れ」としても使われた。
・流れの末(ながれのすえ) 1.流れてゆく川の末の方。2.流派を受け継ぐ人。 類:●末流 3.流れの身の果て。遊女の熟(な)れの果て。
・流れの身(ながれのみ) 遊女などの定めのない身の上をいう。 類:●川竹の流れの身
・流れの道(ながれのみち) 流れの身が立っている道という意味で、遊女の世界。遊女の稼業。
・流れを汲む(ながれをくむ) その流儀に従う。その流派を学ぶ。また、末流に列する。
・流れを立てる(ながれをたてる) 流れの道を盛り立てるという意味で、遊女の意気地を立て通すこと。また、遊女としての生活をすること。
・仲を裂く(なかをさく) 間を広げて遠ざけるという意味で、親しい者同士の間を引き離すこと。 反:■仲を取り持つ
・中を取る(なかをとる) 1.中間を取る。中庸を取る。 類:●折衷する 2.間へ入る。 類:●仲裁する
・仲を直る(なかをなおる) 仲直りをする。