−なき(naki)−
・亡き跡(なきあと) 亡くなったあと。死んだのち。
・亡き影(なきかげ) 1.死んだ人の面影。また、死者の霊。 用例:源氏−松風「親の御なきかげを恥づかしめむ事」 2.亡くなった後。死んで霊魂となってしまっていること。 用例:源氏−浮舟「なきかげにうき名流さんことをこそ思へ」
・泣き出しそうな日和(なきだしそうなひより)[=空模様(そらもよう)] 今にも雨が降り出しそうな天候。
・泣き付く(なきつく) 1.泣いて縋(すが)り付く。 例:「母親の胸に泣き付く」 2.困り抜いて縋り付くようにして頼み込む。 類:●哀願する 例:「親に泣き付いて金を借りる」
・泣き面に蜂(なきつらにはち・なきっつらに〜)
・泣き面を蜂が刺す(なきつらをはちがさす・なきっつらを〜) 泣いている顔を蜂が刺すということで、不幸に不幸が重なること。また、困っているところに更に困ったことが加わること。 類:●泣き面に蜂
・無き手を出す(なきてをだす) 1.この上もない秘術を尽くす。2.できそうもないことに知恵を絞って種々の手段を巡らす。
・長刀会釈(なぎなたあしらい)・長刀応答 長刀で相手を扱うように、受けつ流しつして適当に、また程よく、相手をあしらうこと。 用例:俳・犬子集「鑓(やり)おとがひの人にあやにくと絶えつつとふを長刀あしらひに」
・無きにしも非ず(なきにしもあらず) ない訳でもない。少しはある。また、ないのではない。確実にある。
・泣き寝入り(なきねいり) 1.泣きながら眠ること。 類:●泣き寝 2.不当な仕打ちを受けながら、相手の仕返しなどを恐れて、仕方なく諦(あきら)めること。不本意ながら、なるがままにしておくこと。 用例:浄・関八州繋馬−三「弓矢の意地、泣寝入にはしまはれず」 例:「相手が議員の息子では泣き寝入りするしかない」
・泣きの涙(なきのなみだ) 涙を流して泣くこと。酷く悲しい思いをすること。 例:「泣きの涙で別れる」
・泣き弁慶(なきべんけい)・泣き辨慶 泣きながらも意地を張り通すこと。相手が根負けしてしまうほど泣いて、勝つこと。また、その人。 用例:浄・仮名手本忠臣蔵「母は去られていなれたで、泣き弁慶と申すなり」
・亡き者にする(きなものにする) 殺す。
・泣きを入れる(なきをいれる) 泣き付いて詫びを言い、許しを求める。 類:●嘆願する
・泣きを見る(なきをみる) 泣くような目に会う。不幸せな目に会う。