−なく(naku)−
・泣く子と地頭には勝たれぬ(なくことじとうにはかたれぬ)[=勝てぬ]
・泣く子は育つ(なくこはそだつ) 良く泣く子供ほど元気に育つ。 類:●寝る子は育つ 蛇足:成長ホルモンの分泌促進因子には睡眠と運動が含まれており、寝返りもできない乳児にとっての運動は、つまり泣くことである。
・泣く子も目を開け(なくこもめをあけ)[=目を見る・目を見よ] 泣き喚(わめ)いている子どもが目を見開いて、周囲の状況を見ながら泣くように、思慮分別の無い者でも、少しは時と場合を考えて振る舞うものだということ。また、そのように分別を持って振る舞いなさいということ。
・鳴く蝉よりも鳴かぬ蛍が身を焦がす(なくせみよりもなかぬほたるがみをこがす) 外部に表わすものよりも、表さない方が、却(かえ)って心中の思いが切実である。
・無くて七癖あって四十八癖(なくてななくせあってしじゅうはっくせ) 多かれ少なかれ人には癖がある。
・鳴く猫鼠捕らず(なくねこねずみとらず) 口数の多い者に限って、実行力が伴わない。
・鳴くまで待とう時鳥(なくまでまとうほととぎす) 慌てず騒がず、機が熟すまで辛抱(しんぼう)強く待とうということ。 類:●果報は寝て待て 出典:「甲子夜話−五十三」「なかぬなら鳴くまで待とふほととぎす」(徳川家康の句とされる) ★織田信長は「なかぬなら殺してしまへ時鳥」、豊臣秀吉は「鳴かずとも鳴かしてみせうほととぎす」と詠んだという。ついでに、後の種田山頭火は「鳴かぬなら鳴かなくてよいほととぎす」という川柳を残している。
・無くもがな(なくもがな) ない方が良い。なくて良い。 類:●あらずもがな 用例:伊勢−八四「世の中にさらぬ別れのなくも哉」