−なれ(nare)−
・馴れ合う(なれあう) 1.お互いに馴れ親しむ。親しみ合う。2.男女が情を通じ合う。 類:●密通する●私通する●野合する 用例:人情・春色梅児誉美−六「そりゃア、茶屋衆となれあった日にゃア」 3.(2.から転じて)しっくりする。よく調和する。 用例:俳・貝おほひ−二一番「一句もすらりと立のびて、なれあふたり」 4.密(ひそ)かに示し合わせて悪事を謀(はか)る。 類:●ぐるになる●八百長 用例:茶屋諸分調方記−六「はうばいになれあい」 用例の出典@:貝おほひ(かいおおい) 俳諧発句合せ。一冊。松尾宗房(芭蕉)。寛文12年(1672)。芭蕉の処女集。芭蕉が故郷伊賀上野の俳人36人の発句に自句を加え、計60句30番の句合せに仕立て、自ら判者となって判詞を添えたもの。談林的気分が強い。「三十番俳諧合」。 用例の出典A:茶屋諸分調方記(ちゃやしょわけちょうほうき) 仮名草紙。重宝記(手引書)。元禄6年(1693)。上方の遊里の生活を描いたもの。・・・調査中。
・馴れ初め(なれそめ) 初めて馴染みになること。特に、恋仲になった初め。また、そのきっかけとなったできごと。 例:「そもそもの馴れそめは」
・慣れっこ(なれっこ) すっかり慣れてしまっていること。また、慣れてあまり感じなくなっていること。 例:「振られるのも慣れっこになっちゃった」 ★「慣れ事(なれこ)」から変化した言葉。
・成れの果て(なれのはて) 成り果てた現状。零落(おちぶ)れ果てた姿。 類:●成れる果て 例:「お大尽のなれの果て」
・馴れ馴れしい(なれなれしい) 1.大変に親しい様子。馴れて心安そうな様子。 用例:宇津保−嵯峨院「九のきみになれなれしき事あらむ」 2.不躾(ぶしつけ)である。無遠慮である。 例:「馴れ馴れしい口を利く」 用例:源氏−梅枝「いとなれなれしきこと、きこえつけたりしを」